Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.56
日本緩和医療学会ニューズレター
Aug 2012  56
イブニングセミナー8
がん治療における緩和医療のあり方「心と体の二重らせん」
〜がん緩和治療研究の現状と将来〜
座長・報告  帝京大学医学部 内科学講座 緩和ケア内科  有賀 悦子
 学術大会初日の夕方、数百人の方が来場され、熱心にご講演に耳を傾けられていました。内容のエッセンスを一言でまとめるなら、「がん悪液質」。言葉の定義、生化学的な発生機序、栄養からの問題、臨床症状、病態整理について、ヒトとマウスレベルで解説されました。古代ギリシャ時代からのこの症状に対する医学のとらえ方を、今日にいたるまでの哲学的考察も含め、紐解かれました。インターロイキン(以下、IL)-6の話題に触れられ、ご自身の研究の軌跡、今後の展開について述べられています。
 アップデートな知見や文献的考察よりも、こうしたストーリー性のある話題を盛り込まれたことは、演者らしさがにじんでおり、会場の暖かな雰囲気はそれを期待して足を運ばれた方が多かったことを伺うことができました。予定時間を越えましたが、熱心に最後の質問までメモを取り、頷きながら聴き入っていらっしゃるフロアの方々に感謝するとともに、実に、第1日目のイブニングセミナーらしい1時間だったと感じました。
 また、共催されたエーザイ製薬株式会社の方々の日本の緩和医療に対するパートナーシップを実感することができ、今回、学術大会の中でこのような学び・共に感じる場をご提供下さったことに心から感謝しています。

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