Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.56
日本緩和医療学会ニューズレター
Aug 2012  56
第7回CART研究会
特別講演U 癌性腹膜炎に対する新しい治療の確立に向けて
座長・報告  福井大学医学部附属病院 がん診療推進センター  片山 寛次
 辻谷先生が鳥取大学と九州大学での主に胃癌の腹膜転移に対する臨床研究の歴史について述べられた。現在はシスプラチン、タキサンの全身投与、S1での治療が中心で、奏功例では延命効果も認める。タキサンの腹腔内投与では明らかな成績は得られなかったが、全身投与との併用では有用性が期待される。漿膜浸潤胃癌では術中腹腔内化学療法による腹膜再発予防効果も期待できる。CARTは、がん性腹水であっても安全に濾過濃縮して血中に戻すことで、栄養、免疫の維持に有用である。その上で、ここから得られたがん細胞からがん抗原を得ることで、がん抗原ペプチドを用いた樹状細胞ワクチン療法の有効性が向上できる、と今後の新しい治療の開発に意欲を示された。

Close