Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.56
日本緩和医療学会ニューズレター
Aug 2012  56
シンポジウム11
リンパ浮腫ケアの理論と実践
座長・報告  日本赤十字広島看護大学 看護学部看護学科  植田 喜久子
座長  広島大学大学院 保健学研究科  片岡 健
 シンポジウム11.リンパ浮腫ケアの理論と実践では、広島リンパ浮腫研究会で作成した教育媒体「リンパ浮腫と上手につきあうために」を活用しながら、リンパ浮腫ケアについて言及されました。さらに教育媒体の有用性を検討した研究成果の発表がありました。また、リンパ浮腫ケアを病院内で組織化され運営されている2施設の体制の現状と課題についての発表がありました。
 賀出朱美氏は、リンパ浮腫の定義、発症のメカニズム、複合的治療法の詳細、さらに患者会の活動と意義、とくにリンパ浮腫の早期発見と発症予防について言及されました。とくに、リンパ浮腫ケアは継続的・長期的な医療者の関わりが重要であると強調されました。
 仁井山由香氏は、教育媒体「リンパ浮腫と上手につきあうために」の有用性を検討するためにがん患者30名に術直後、退院1カ月後の2回にわたり教育介入を行っています。約90%前後の対象者が、発症予防や早期発見の方法を理解し実践しています。発症者3名を早期発見できたことにより、早期に治療が開始できています。患者には、リンパ浮腫ケアのみでなくがんとともに生きる包括的な支援が重要であると語られました。
 春田直樹氏は、理学療法士、看護師など多職種によるリンパ浮腫ケア体制を構築されています。チームケアをオーケストラにたとえ、多職種協働チームによるケアの必要性や複合的治療法やセルフケアの有用性をデータに基づき言及されました。必ず深部静脈血栓の鑑別診断を行い、リンパ浮腫治療を開始する重要性を指摘されました。
 得能裕子氏は、リンパ浮腫指導技能者である看護師がリンパ浮腫ケアの実践を希望する「一声」を大切にし、「リンパ浮腫ケア外来」を創設されました。得能氏は、リンパ浮腫ケアに必要な職種の役割を調整すること、企画から、看護部、事務部と上手に連携・調整された経緯から、ケア体制の構築について言及されました。

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