Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.56
日本緩和医療学会ニューズレター
Aug 2012  56
学会の総括
第17回日本緩和医療学会学術大会を終えて
ひろく ふかく たかく
岡山大学大学院 医歯薬学総合研究科 緩和医療学講座  松岡 順治
 2012年6月22、23日の両日、神戸市神戸国際展示場ほかにおきまして第17回日本緩和医療学会学術大会を開催し、無事終了することができました。これもひとえに学会会員各位をはじめとする多くの方々のご協力の賜物と、こころより御礼申し上げます。前日まで6月にはまれな台風の上陸、それも2つの台風が直撃という天候でありましたが、当日はウソのように青空が広がり、ひとえに皆様の日頃の行いに感謝しています。
 学術大会のテーマは「ひろく ふかく たかく」でした。多くの先達が従来から築き上げてきたend of life care の演題にくわえ、今大会特有のものとして緩和医療の将来展望、サバイバーシップ、ソーシャルキャピタル、高齢者・認知症、小児などの新たな概念を提示する機会をいただきました。学会企画、学会員企画、多職種のフォーラム、ガイドライン講座、精神腫瘍学特集、口腔ケアハンズオンなどでは多くの方々のご参加と交流がえられました。老年医学会、臨床腫瘍学会、がん治療学会、乳がん学会、厚生労働省、文部科学省などの様々な分野からのご出席をいただき、学会員との論議を深めていただきました。ポスターセッションではディスカッションを取り入れ、今後のレベルアップにつながるよう企画しました。プログラムの構成として、同じカテゴリーのものを同一会場にまとめ、ポスターディスカッションに全員が参加いただけるように、セッションの終了時間を統一しました。利便性を考えランチは会場内で、私ども岡山の誇るB級グルメをお楽しみいただけるようにしました。市民公開講座は演劇に引き続く詩の朗読、そして胃ろうのパネルディスカッションを開催しました。多職種、多分野のかたがた、それもノービスからエキスパートまですべての方々に充分満足いただくことができるよう考慮いたしましたが、それがいかに難しいかということを考えさせられた二日間でありました。
 今回のポスターは有元利夫画伯のロンドを使用させていただきました。患者さんを多職種の医療者が支える医療を具現化していると考えたからです。このような医療が理想であると考えています。医療は人々を幸せにするためにあり、われわれは社会をよくするためにある、このことを様々な議論を通じて認識していただきました。医療は患者さんと家族の人生を変えることができると同時に、社会も変える力を有しています。会員の皆様におかれましては日常の活動を通じて社会を変えていく力を自覚し、自信をもって発揮していただくようお願いして御礼のご挨拶に代えさせていただきます。

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