Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.55
日本緩和医療学会ニューズレター
May 2012  55
学会印象記

第27回日本静脈経腸栄養学会

社会医療法人緑壮会 金田病院 外科  三村 卓司
 2012年2月23日と24日の両日、福田能啓会長(兵庫医科大学ささやま医療センター)のもと、神戸国際会議場などで第27回日本静脈経腸栄養学会が開催されました。「栄養療法ルネサンス〜治療する側・受ける側〜」のテーマのもと、全国の栄養療法の猛者達が一同に介して、多職種による熱いディスカッションが交わされました。一般演題だけで1296題が集まり、栄養療法の関心の高さが伺えました。当学会は、緩和医療学会にも共通する「多職種によるチーム医療」が軸となり、医療職を始め多くの職種が一同に会することも特徴としてあげられます。そのため多くの職種の多方面の意見が聞くことができる貴重な場にもなっています。昨今の社会情勢から、「癌悪疫質」や「高齢者」、「在宅医療」、「胃瘻の適応」に関する話題も避けては通れなくなり、栄養療法のメッカである当学会もこれらに関する多くの演題が見受けられ、それらのセッションが大盛況であることからも、関心の高さが伺えました。緩和ケア領域では「癌」や「高齢者」、「在宅医療」などのキーワードの領域だけでも103題が取り上げられ、「胃瘻」のセッションでは、老年医学会の立場表明の直後と言うこともあり、適応について多くの意見が取り交わされていました。谷田憲俊教授(山口大学)の教育講演「緩和医療と栄養管理」では、「終末期癌患者の輸液ガイドライン」に関連しながら、緩和ケアを要する患者に対する栄養管理についての医学的適応と患者・家族の思いと価値観を考え合わせたケアが重要であるとすることが改めて示されました。
 栄養療法では、栄養学を重視した治療法も重要ですが、特に「癌悪疫質」や「高齢者」、「在宅医療」といった領域で栄養療法の質、患者側にたった討論が活発に行われていました。患者・その家族の気持ちに寄り添いながら行う栄養療法を考えることを再認識できた学会であったと思われます。

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