Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.55
日本緩和医療学会ニューズレター
May 2012  55
学会印象記

第26回日本がん看護学会学術集会に参加して

東邦大学医療センター大森病院  黒澤 亮子
 島根県松江市にて2012年2月11日、12日に開催された第26回日本がん看護学会学術集会に参加した。
 今回は「縁(えにし)が結ぶシームレスながん看護」をメインテーマに、予防から治療期における看護、そしてエンド・オブ・ライフケアまでの様々な段階におけるケア、さらに外来、病棟、在宅におけるよりよい連携体制の在り方を模索する講演、研究発表が多く開催されていた。寒空の下会場は活気にあふれ、学術集会は日々のがん看護の振り返りや改善のための議論の場となっていたように思う。
 特に、島根県は全国に先駆けて「島根県がん対策推進条例」を制定したこと、また島根県のがん患者が自ら「がん対策基本法」制定に向けてご尽力されたことより、シンポジウム「がん対策基本法から5年が経過して〜今、がん看護に求められるもの〜」では、熱いディスカッションが繰り広げられた。全てのがん患者、家族のQOL向上を目標に、今後はより早い段階からのがんの診断時からの緩和ケア、がん患者の就労問題、小児がんへの対策、そして在宅緩和医療の充実などが求められる中で、最善のがん看護実践を探求していく必要性を感じた。
 一方、外来看護においては、化学療法看護に関するテーマが幅広くみられた。医療の進歩により新規抗がん剤が次々と導入されている現状がある。組織に応じた形態で、患者、家族が納得し安心して治療が受けられるようにするための副作用の予防、早期発見、対処ができるような患者サポートの体制づくりの重要性を実感した。また、教育セミナーでは米国オンコロジー認定看護師であるMahar先生より「米国ダナ・ファーバーがん研究所におけるがん看護の安全プログラムおよびガイドライン」のご講演をしていただいた。わが国では組織毎にがん看護の安全対策を講じており、未だ看護における抗悪性腫瘍薬による暴露対策などのガイドラインは作成されていない状況にある。先駆的な米国の取り組みを参考にわが国独自の安全対策のガイドラインが早急に求められる。

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