Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.55
日本緩和医療学会ニューズレター
May 2012  55
Journal Club

地域対象の緩和ケアプログラムによる医療福祉従事者の自覚する変化:
OPTIM-study

聖隷三方原病院 緩和支持治療科  森田 達也

Morita T,Nozue Y,Hanada Y,Miyashita M,Suzuki S,Kinoshita H,Shirahige Y,Eguchi K.Changes experienced by physicians and nurses after a region−based palliative care intervention trial:the OPTIM−study.Palliative Care Research 2012; 7(1): 121-35.

【目的】
 本研究の目的は、地域緩和ケアプログラムが行われた地域の医師・看護師の体験した変化を収集することである。
【方法】
 OPTIMプロジェクト介入後の医師1763名、看護師3156名に対する質問紙調査の回答706件、2236件を対象とした。自由記述の内容分析を行った。
【結果】
 それぞれ、327、737の意味単位を同定した。好ましい変化として、【チーム医療と連携が進んだ】 ([相談しやすくなった]、[名前と顔、役割、考え方が分かるようになった]など)、【在宅療養が普及した】([在宅移行がスムースになってきた]など)、【緩和ケアを意識するようになり知識や技術が増えた】が挙げられた。意見が分かれた体験として、【病院医師・看護師の在宅の視点】、【活動の広がり】、【患者・家族・市民の認識】が挙げられた。
 【チーム医療と連携が進んだ】においては、[相談しやすくなった]、[直接会って話し合う機会や情報交換する機会が増えた]、[名前と顔、役割、考え方が分かるようになった]、[チームでみていこうと思うようになった]ことが語られた。看護師は「気兼ねや遠慮が減った」のように相談をするときに精神的な負担が減ったことをしばしば述べた。医師では「相談できる場所があることで診療の余裕につながる」「かかえこまず燃え尽きや過労が回避できた」のように負担の軽減がしばしば挙げられた。
 きっかけとして、1)役割をする人ができて認識できた(部署ができた、窓口が見えてきたなど)、2)グループワークや研修会などさまざまな機会で直接話すことによって相談できる雰囲気ができていったことを挙げた。
【結論】
 地域緩和ケアプログラムによる主な変化は、チーム医療と連携、緩和ケアの意識と知識や技術の向上、在宅療養の普及であると考えられた。
【コメント】
 OPTIMプロジェクトの全体にかかわる初めての報告であり、プロセス面を評価するものである。知見はイギリスのGold Standard Frameworkなど海外の研究とよく一致している。2012年春にOPTIM Report2011が出版される。

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