Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.55
日本緩和医療学会ニューズレター
May 2012  55
Journal Club

EAPCによるがん患者に対するオピオイド鎮痛薬使用に関する推奨

東北大学大学院医学系研究科保健学専攻
緩和ケア看護学分野  宮下 光令

Caraceni A, Hanks G, Kaasa S, Bennett MI, Brunelli C, Cherny N, Dale O, De Conno F, Fallon M,Hanna M, Haugen DF, Juhl G, King S, Klepstad P, Laugsand EA, Maltoni M, Mercadante S, Nabal M, Pigni A, Radbruch L, Reid C, Sjogren P, Stone PC, Tassinari D, Zeppetella G; European Palliative Care Research Collaborative (EPCRC); European Association for Palliative Care (EAPC).Use of opioid analgesics in the treatment of cancer pain: evidence-based recommendations from the EAPC. Lancet Oncology. 2012; 13(2): 58-68.

 本論文はEAPC(European Association for Palliative Care)のがん性疼痛に対するオピオイド使用に関するガイドラインのアップデートバージョンを示すものである。EAPCの共同研究機構によって、以前のEAPCのガイドラインの見直し、他のガイドラインと比較検討、系統的レビュー、エキスパートパネルによるコンセンサスに基づいた推奨が作成された。推奨は以下の16項目について作成された。「1.WHOのステップIIオピオイド」「2.WHOのステップIII オピオイドを第一選択とすること」「3.オピオイド・タイトレーション」「4.経皮吸収剤の役割」「5.メサドンの役割」「6.オピオイド・スイッチング」「7.オピオイドの換算比」「8.投与経路」「9.突出痛に対するオピオイド」「10.オピオイド関連の嘔気の治療」「11.オピオイド関連の便秘の治療」「12.オピオイド関連の中枢神経症状の治療」「13.腎障害の患者へのオピオイドの使用」「14.ステップIII オピオイドへのアセトアミノフェン、NSAIDsの追加の役割」「15.神経障害性疼痛に対する鎮痛補助薬の役割」「16.オピオイドのくも膜下投与」
【コメント】
 EAPC によって行われた大規模なオピオイドに対するガイドラインの改訂である。ここ数年、Palliat Med誌やJ Pain Symptom Manage誌などにオピオイドに関する系統的レビューが多数掲載されてきたが、それらはEAPCのグループにより同じ方法で行われたものであり、その集大成として本ガイドラインが発行された。本邦のガイドラインと比較し、持続皮下注射を強く推奨していること、アセトアミノフェンの使用、ブプレノルフィンの使用などが若干異なっているように見えるが、全体的な推奨の方向性は同じであると思える。

Close