Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.54
日本緩和医療学会ニューズレター
Feb 2012  54
学会印象記

第35回日本頭頸部癌学会

医療法人渓仁会 手稲渓仁会病院 耳鼻咽喉科頭頸部外科  中薗 彬
 2011年6月9〜10日、愛知県にて開催された第35回日本頭頸部癌学会に参加する機会を得たので報告する。日本頭頸部癌学会は各領域の専門家が一堂に会し横断的な活動を行うことを目指し設立され、主に耳鼻咽喉科頭頸部外科医・歯科口腔外科医・放射線科医・形成外科医・腫瘍内科医などが参加する。
 一般演題が542演題(口演発表348、ポスター発表194)、各種シンポジウムおよびパネルディスカッションなどでは59演題が発表され、そのうち緩和ケアに関連した発表は口演発表7演題、ポスター発表7演題、シンポジウム3演題程度であった。近年頭頸部の領域においても緩和ケアは日常診療では注目されてきているものの、学会レベルでは治療に関連する発表に比較し扱いが少ない印象であった。症例ごとに出現する症状が異なること、その対応策も多岐にわたることから、ある程度の症例数を集めた報告が困難なことが原因として考えられた。
 しかしながら昭和大学門倉善幸先生が発表の中で触れられていたように、頭頸部癌はその解剖学的な特徴より摂食困難、上気道閉塞( 呼吸困難)、発声障害( コミュニケーション障害)、感覚器障害( 聴覚・嗅覚・味覚障害)、皮膚浸潤( 出血・悪臭・body imageの変化) などの出現率が高く、我々耳鼻咽喉科頭頸部外科医も緩和ケアに精通していく必要があると再認識させられた。
 このほか頭頸部領域のトピックとしては中咽頭癌におけるhuman papilloma virus(HPV) の関与、センチネルリンパ節生検による頸部廓清術の範囲縮小などが発表されており、今後の発展が期待される。

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