Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.54
日本緩和医療学会ニューズレター
Feb 2012  54
Journal Club

がん緩和サービスに対する認識・利用可能性に関する知識・準備性に関する研究
4地域での一般住民調査の結果から

大阪大学大型教育研究プロジェクト支援室  平井 啓

Hirai K, Kudo T, Akiyama M, Matoba M, Shiozaki M, Yamaki T, Yamagishi A, Miyashita M, Morita T, Eguchi K. Public Awareness, Knowledge of Availability, and Readiness for Cancer Palliative Care Services: A Population-Based Survey across Four Regions in Japan. J Palliat Med. 2011 Aug;14(8):918-22.

【目的】
 本研究では、「緩和ケア普及のための地域プロジェクト(OPTIM: Outreach Palliative Care Trial of Integrated Regional Model)」の実施地域において、がん緩和ケアサービスに対する地域住民の認識・利用可能性に関する知識・準備性・ メディアなどの情報源の信頼性について調査・分析を行った。
【方法】
 4つの地域で横断的な、無記名による質問紙調査を実施し、最終的に3,984名の回答を解析の対象とした。
【結果】
 全回答者のうち63.1%の回答者が緩和ケアについてほとんど知らないと回答した。一方で、緩和ケア サービスを利用したことがある回答者は全体の0.5%であった。緩和ケアについて知っているという回答者でも、18.6%の回答者は、自分の居住地域で緩和ケアが利用できることに関する知識はなかった。自分自身や家族にがん患者のいる経験のある回答者は、一般の人と比較すると緩和ケアや緩和ケアサービスの利用可能性について認識していた。がん緩和ケアに関する認識のみが、がん緩和ケアサービスに関する典型的な2つのイメージ(「緩和ケアは痛み や苦痛を緩和するもの」・「死期が迫っている人の利 用するもの」)と有意に関連していた。
【結論】
 調査の結果から、緩和ケアサービスとその利用可能性に関して一般には十分知られていないことが明らかになった。がんに関する経験は、がん緩和ケアサービスの認識に影響するが、「死期が迫っている 人の利用するもの」といった緩和ケアへの典型的なイメージについては、直接的に関連していなかった。

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