Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.54
日本緩和医療学会ニューズレター
Feb 2012  54
Journal Club

終末期の臨床倫理症例カンファレンスが医師と
看護師に与えた認識の変化に関する質的研究

原三信病院 看護部  横田 宜子

Yokota N,Kamimura T,Oda M.Qualitative research on changes in the perceptions of physicians and nurses generated by clinical ethics case conferences concerning terminal phase patients. Palliative Care Research 2011;6(2):227-32.

【目的】
 2006年3月より1市中病院の血液内科病棟では、Jonsen4分割表を用いた臨床倫理症例カンファレンス(以下、カンファレンス)を施行している。その中で、終末期の患者を対象にしたカンファレンスに焦点を当て、医師や看護師の終末期ケアや考えに与えた影響を医師や看護師の認識より検討した。
【方法】
 血液内科病棟に勤務している医師3名と看護師5名に、終末期のカンファレンスについて半構造化面接を行い、 修正版グラウンデッド・アプローチに従って、質的記述的にデータ分析した。
【結果】
 抽出された39コードから、5つのサブカテゴリー、2つのカテゴリーを導き出した。《終末期への意識》のカテゴリーは、<終末期という時期を意識する><残された時間を考慮したケアへ変化させる> の2サブカテゴリー、18のコードより構成された。「ぼんやりと終末期に向かっていると思っていたのが、カンファレンスすることによって、終末期という意識を持ち時間に重点をおける」などの語りがあり、 看護師は、時間を考慮したケアに変化させていた。《チームアプローチ》のカテゴリーは、<チームで共有する重要性を知る><看護師は調整役を果たせる><患者・家族の意思を知る機会である>の3サブカテゴリー、21のコードより構成された。「本人の意思も尊重しつつ、家族の意見も聞けて、最終的に向こうに移って穏やかに過ごせたことを聞いてよかった」などの語りがあり、終末期の経過を通してよい看取りと感じることは、看護師の葛藤やジレンマによる疲弊を減らすことにつながると考えられた。
【結論】
 終末期患者のカンファレンスは、がん治療病棟である血液内科病棟の中で、医療者があらためて終末期を意識し、ケアを変化させるきっかけになっていた。また、看護師は、患者の代弁者となり家族へ変化を与え、チームの一員としての調整役を果たすことで、終末期医療における達成感を得ることができていた。

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