Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.54
日本緩和医療学会ニューズレター
Feb 2012  54
口演16
口腔ケア 代替補完療法
座長・報告  独立行政法人国立病院機構栃木病院 歯科口腔外科  岩渕 博史
 本セッションは緩和ケアとしての口腔ケアと代替補完療法について合わせて5題の発表があった。
  1題目は終末期がん患者におけるQOL、精神状態に即した口腔ケアを行うため、終末期のどのステージで口腔にどのような変化が生じ、症状の強さがどのように変化するか検討したものである。その結果、予後1週間以内で口腔乾燥が大きく増加したという結果が得られた。口腔における予後別状態評価は現在までその報告がなく、今後さらなる研究の発展が期待された。
 2題目はがん薬物療法や化学放射線治療に伴う口内炎の発症やその重症度にカンジダ菌が影響しているとの報告である。まだ、症例数も少なくパイロット研究の段階ではあるが、がん薬物療法などに伴う口内炎の発症は患者のQOLや治療継続率に大きく影響することから注目される発表であった。
 3題目は口腔ケアにおける地域連携についての発表である。緩和ケアにおいて口腔ケアは大変重要であるが、その専門性から歯科医師や歯科衛生士のサポートが必要である。しかし、その専門職が不在の病院が多いのが現状である。京都府では口腔サポートセンターを設立し活動を行っており、看護師や医師から大変好評であるとの発表であった。他の地域への広がりを期待したい。
 4題目は米国で古くから行われており本邦でも近年、注目をされている高濃度ビタミンC点滴療法のがん患者のQOLに与える影響を調査したものである。その結果、特に倦怠感の改善効果に優れていたとの発表であった。今後比較試験の計画が期待された。
 5題目は通常、末期がん患者に接することが限られている鍼灸師が末期がん患者とのコミュニケーションを行う際の課題について検討したものである。患者から実存的な問いかけをされた際、答えるスキルを持ち合わせていないため、回答に困難を生じストレスや疲労感を感じていたとの報告である。理学療法士などでも同様の問題がある可能性があり他業種での調査に興味を持たされた。

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