Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.54
日本緩和医療学会ニューズレター
Feb 2012  54
イブニングセミナー11
こうすればうまくいく 在宅で機械式PCAポンプを使うコツ
―実際の取り組みを中心に
座長・報告  栃木県がんセンター 麻酔科・緩和医療科  粕田 晴之
 このセミナーでは、緩和ケア地域連携を行なう中で、特にPCAポンプ(オピオイド持続皮下注)をどのように活用させて緩和ケアを実践していくのか、在宅診療を受け持つ側と在宅診療へ送る側それぞれの立場からの講演が企画された。
 1.「在宅緩和ケアにおける疼痛管理の現状」
 わたクリニックでの在宅看取り症例・2010年225人、うちがん患者207人(92%)、がん患者の在宅看取り率84%、がん患者のうちPCA使用が106名(51.2%)、PCAを使用した患者の在宅看取り率96.2%(102/106)という豊富な経験を背景に、首藤医師は「PCA を行った症例では在宅看取り率が高く、PCAにより苦痛症状をコントロールすることが、患者や家族の不安を軽減し、在宅看取りにつながっている。」と述べた。
 さらに、「在宅でPCAポンプを使用する際に重要なポイントは、PCAポンプ特有のアラーム対策で、発生頻度が高いアラームの原因(ルートの閉塞・カセットの残量が少ない・電池交換が必要)を重点に、あらかじめアラームが鳴らないように対策することで解決可能である。」と、実践上の注意点を指摘した。
 2.「緩和医療の地域ネットワーク〜『在宅緩和ケアとちぎ』の多職種連携と『Easy PCAとちぎ』キャンペーン〜」
 PCAポンプは、経口摂取ができない患者には特に有効なツールであるが、在宅でPCAポンプを活用させるためには、在宅医師・訪問看護ステーション看護師・調剤薬局薬剤師・レンタル業者など多職種の連携が必須である。その一例として「在宅緩和ケアとちぎ」の多職種連携や、「Easy PCAとちぎキャンペーン」の取り組みが紹介された。
 このキャンペーンの特徴は、「PCAポンプを使用したいが経験不足が心配」、「困ったときに相談できる窓口がほしい」などの声に応え、相談もできるサポートシステムを担っている点であるが、PCAを実際に使用してみると開始前の不安は解消し、スムーズに使用できていることに気がついてもらえることが多く、サポートシステムがあるという安心感が大切なポイントである。

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