Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.53
日本緩和医療学会ニューズレター
Nov 2011  53
学会印象記

第11回オーストラリア緩和ケア学会に参加して

千葉県立保健医療大学健康科学部 リハビリテーション学科  安部 能成
 去る2011年8月30日から9月2日にかけてオーストラリア北部、赤道近くのクイーンズランド州のケアンズで開催されたオーストラリア緩和ケア学会に参加する機会を得たので御報告したい。
 会場のケアンズ・コンベンションセンターは幕張メッセほどの規模があり、1,000人ほどの参加者に比べて面積的に余裕があった。特にポスターセッションは102演題の発表に対してゆとりがあり、メイン会場を取り囲むようにした曲線状にポスターが一列に並べられ、ワインとチーズをとりながら発表者と歓談する、というオーストラリアならではの、のんびりした雰囲気の中で行われた。
 前回の第10回大会は、アジア太平洋ホスピスネットワーク(APHN)との共同開催であり、参加者も多かったが、今回は国内学会という本来の姿に戻り、ゲストスピーカーも前欧州緩和ケア協会(EAPC)会長のラートブルーフ先生のみ、という小規模なものであった。
 確かにオーストラリアは人口2100万人余り(世界の52位)で、日本の12700万人(世界10位)に比べて小さな国である。しかし、緩和ケアの領域では英語圏の情報をいち早く取り入れており、英国からの移住者も少なくないので、先進的地位を保っている。しかも、医療資源に乏しいので、緩和ケアに関わりのある医師・看護師のみならず、作業療法士、臨床心理士、ソーシャルワーカーたちが、各々の役割を展開していた。
 専門職にとどまらずボランティアの姿も多く見受けられ、特に地域での緩和ケアの展開にボランティアが関与する等、緩和ケアを多くの市民が支えようという社会的背景も感じ取られた。
 ちなみに第12回大会は2013年9月3日から6日にかけて南部のキャンベラで開催される。日本からも英語圏での発表にチャレンジされることを大いに期待したい。

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