Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.53
日本緩和医療学会ニューズレター
Nov 2011  53
口演19

優秀演題

座長・報告  医療法人 東札幌病院 緩和ケア科  中島 信久
 今回、査読委員会において、応募演題数1374題のうち「口演」に選ばれた113題の中から「優秀演題」を3題選出し、このうちの1題を「最優秀演題」と選定した(その後、演題取り下げが1件あったため、2演題のみの発表となった)。
 最初に、優秀演題に選ばれた「がん診療連携拠点病院の緩和ケア機能の充足度:平成19-21年度医療水準調査の結果」について、東北大学大学院・緩和ケア看護学分野の宮下光令先生が発表された。今回の調査から、この3年間で病院の緩和ケアに取り組む体制、緩和ケアの情報提供体制、専門的な緩和ケアの提供体制が充足したこと、これより、わが国の一般病棟における緩和ケアの均てん化がより進んだと考えられることを発表された。
 続いて最優秀演題に選ばれた「緩和ケア病棟で提供された終末期鎮静の関連要因と遺族による緩和ケアの質評価への影響」について、同じく東北大学大学院・緩和ケア看護学分野の佐藤一樹先生が発表された。これは、緩和ケア病棟37施設で死亡したがん患者2802名を対象として診療記録調査を行ったものである。終末期鎮静は若年患者や肝臓がんにおいて実施率が高い傾向があったが、全体としては患者背景に依らない緩和治療の一つとして実施されていた。また、耐え難い苦痛を持つ終末期がん患者に鎮静を実施することで、遺族によるケアの質評価を損なわない可能性が示唆されたと発表した。
 いずれの発表も規模の大きい多施設研究であり、わが国における今後の緩和ケアの発展に向けて、十分に説得力のある素晴らしい内容であった。
 前回大会から始まった「優秀演題」セッションであるが、昨年、座長をされた志真泰夫先生が「今回の優秀演題は全て女性でした。世の草食系男子諸君、頑張りたまえ!」との檄を飛ばされた。そのせいか否かは定かではないが、今回選出された2名はいずれも男性であった。来年以降、性別に関係なく、優れた演題にこのセッションでお目にかかれることを楽しみにしている。

Close