Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.53
日本緩和医療学会ニューズレター
Nov 2011  53
口演5

緩和ケアチーム 患者サポート

座長・報告  洞仁会洞爺温泉病院 ホスピス緩和ケア科  岡本 拓也
 1題目、2題目は同じグループからの発表であった。がんの診断を伝えた同日に、緩和ケアチームの看護師が別室にて患者と家族のカウンセリングを行い、早期からの緩和ケア( 全人的アプローチ) の導入を図る試みについての報告。患者、家族においては不安や悲嘆の軽減につながり、医療者においては治療や緩和ケアをスムーズに行える効果や、忙しい外来を効率的に運営して行けるという効果があった。確かに、がんの診断を受けた患者、家族は、様々な不安、心配を抱え、また初めて直面する事態に対してどのように考えてよいかも分からず、親身に話しを聴いてもらえて情報を整理できる場を必要としている。専門職によるこのような初期からの手厚い関わりがあるとたいへん心強いだろう。問題はマンパワーの確保であるが、逆に医師の外来業務の時間を短縮できるという利点もあるようであり、一般的に導入を考えてもよい優れた仕組みではないかと感じた。
 最後の6題目は「移動式プラネタリウムを活用した緩和ケアサロンの効果〜緩和ケアと天文とのコラボレーションの有用性〜」という演題であった。明石市立天文科学館の協力を得て、患者家族にプラネタリウムを体験してもらうという試みである。もちろん患者や家族にとって良い効果が得られたわけであるが、患者、家族の感想の言葉からは、辛い日常を一時的にでも忘れることができたり、自分を超えた存在である宇宙や自然を体感することが有効なスピリチュアルケアとなっていたりする様子が伺えた。移動式プラネタリウムというような大掛かりなものに限らず、使える資源は何でも利用してケアに役立てるという姿勢が重要である。
 字数の関係で他の演題については触れないが、いずれも臨床に即した具体的、現実的な発表であり、質疑も活発になされ、大変有意義な学びを共有できた。発表者と参加者に感謝したい。

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