Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.53
日本緩和医療学会ニューズレター
Nov 2011  53
巻頭言
第17回日本緩和医療学会学術大会開催にあたって
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 緩和医療学講座  松岡 順治
 平成24年6月22、23の両日、神戸国際展示場において第17回日本緩和医療学会学術大会を開催させて頂くこ とになりました。大会のテーマを「ひろく ふかく たかく」とし、理事長の恒藤暁先生をはじめとする多くの方々のご助言をいただきながら運営していきたいと考えています。現在組織委員会、査読委員会等を組織しプログラムの詳細と運営について鋭意検討をおこなっております。多くの先輩方が培ってきた緩和医療を、医療の原点としてわが国へ定着させ発展させるための学会としたいと考えています。今後の学会の運営のモデルとなるべく努力を重ねて行きたいと思っておりますので皆様のご援助を心よりお願い申し上げます。
 「ひろく ふかく たかく」というテーマについて、皆様がそれぞれの思いを託していただければと思います。 私が考えますに、病院から地域へのひろがり、多くの疾患へのひろがり、早期からの緩和医療へのひろがり、 医療関係者から一般国民へのひろがり、各関連学会へのひろがり、現在の緩和医療の概念、技術、研究、患者さんへの思いをふかめる、目標をたかく設定し、患者さん、家族のQOLをたかめる等のことを想起していただければと考えています。これらのテーマを取り入れた、17回に特徴的な内容と、従来より変わらずにある大事な緩和医療学会固有の内容を並立した運営になる予定であります。
 各講演については教育講演の他に、シンポジウム、パネル、ワークショップ、一般口演、ポスターなどを企画しています。お名前の知られた方の指定演題のみではなく、多くの会員からの公募をおこなうことにしており、その中から優秀演題を選出する予定にしています。また、今回はできるだけ多くの一般市民、患者さんの参加をお願いする予定です。 本当はこうおもっているのだけれど、あまり言えないという患者さん、一般市民の声を聞くことのできる良い機会にしたいと考えています。緩和医療における理念に関する論議のみでなく、臨床の場で役に立つ実践的な技術や新しい知識を持って帰っていただき、参加してよかった、楽しかったと思われる学会にしたいと考えています。
 今回のポスターとチラシには岡山県津山市生まれの有元利夫画伯のロンドという作品を使わせていただきました。絵の解釈はいろいろとあろうと思いますが、私が最初にこの作品にあったとき、一人の人を多くの人が手を携えて微笑みながら見守っているように思えました。医療が患者さんを多くの職種でたのしみながら支えている、そしてそれを患者さんも見守っているという医療のあるべき姿を象徴しているように思えたのです。今回は多くの方々のご縁がありこのポスターが実現しました。同じように多職種で患者さんを支えるという緩和医療の環境と社会を実現するために日本緩和医療学会が力を出すべきであると思っております。
 緩和医療はいわば社会運動です。医療をおこないながら、社会を変えていく力があります。私たちはそれを自覚しながら毎日の実践を行う必要があるのではないでしょうか。第17回日本緩和医療学会学術大会に多くの方が積極的にご参加いただけるようお願い申し上げます。

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