Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.52
日本緩和医療学会ニューズレター
Aug 2011  52
Journal Club
ビリーブメント・ライフレビューの効果に影響する質的要因の分析
聖マリア学院大学 看護学部  安藤 満代

Ando M, Morita T, Miyashita M, et al. Factors that influence the efficacy of bereavement life review therapy for spiritual well-being: a qualitative analysis. Support Care Cancer. 2011;19(2): 309-314.

【目的】
 家族を亡くした遺族のなかには、抑うつ感を感じたり、心理―実存的苦悩(スピリチュアルペイン)を感じる方もおり、その方たちへのケアが必要と考えられた。我々の先行研究において心理―実存的側面のケアであるビリーブメント・ライフレビューを緩和ケア病棟で家族を亡くされた遺族に実施したところ、抑うつ感の改善と心理―実存的な改善がみられたが、その方たちの背景については明らかではなかった。そこで、本研究ではビリーブメント・ライフレビューが有効であった方の背景を調べた。
【方法】
 ホスピス緩和ケア振興財団事業で実施した質問紙調査(2007年6月)において参加の同意が得られた遺族20名(男性6名:平均年齢64.8歳,SD15.1,女性14名:平均年齢55.9歳,SD11.7)を対象とした。1回60分程度の面接を2回実施した。質問事項は、「人生で大切にしていること」などの6項目であった。1回目の面接時に対象者の許可を得て面接内容を録音し、質問にそった「アルバム」を作成した。1回目から2週間後の2回目面接において「アルバム」の内容を確認した。初回面接の前と最後の面接の後に心理―実存的側面を測定するFACIT-Sp(Functional Assessment Chronic Ilness - Spiritual )へ回答していただいた。分析ではFACIT-Spの介入前後の得点変化を算出し、中央折半法の中央値から上を「効果あり群」、下を「効果なし群」としてテキストマイニングによって各群において語りにみられる要因を抽出した。
【結果】
 分析の結果、「効果あり群」から「家族との良い思い出」「十分な悲しみと再構築」「楽しかった最後の時」が抽出され、「効果なし群」から「現在も苦しんでいる」「介護の後悔や罪悪感」「現在の自分への影響」が抽出された。
【考察】
 ビリーブメント・ライフレビュー、十分に悲しんで人生の再構築ができた方、親との思い出や最後の時間を楽しかったと語ることができる方には効果があり、現在も苦しんでおり、後悔などが残る場合は介入の効果はあまり見られないことが示唆された。今後さらにビリーブメント・ライフレビューを発展させる必要があると考えられる。

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