Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.51
日本緩和医療学会ニューズレター
May 2011  51
学会印象記
第16回日本臨床死生学会大会
早稲田大学大学院 人間科学研究科 日本学術振興会特別研究員
石田 真弓
 2010年12月11-12日、早稲田大学国際会議場(東京都新宿区)で日本臨床死生学会大会が開催されました。日本臨床死生学会は、臨床の場における生と死をめぐる全人的問題を研究し、その実践と教育を行うことを目的としており、本大会はその16回目にあたります。本大会は大西秀樹大会長(埼玉医科大学国際医療センター精神腫瘍科教授)のもと「今あらためて生と死を考える−援助の手をさしのべるために−」をテーマに開催されました。このテーマは医療者のみならず、人として重大な局面に対峙したときに何が出来るのか、何を考えるのかを問うという大きなテーマでもありました。
 本学会では、一般演題を通して終末期ケア、家族ケア、遺族ケア、死生学に関するテーマが発表され、フロアとの間で活発な討論が行われました。シンポジウムTでは「継続的な遺族支援の実践」と題してシンポジストから遺族ケアの重要性を学び、シンポジウムUでは「今あらためて生と死を考える」と題してさまざまな立場からの生と死に関わる問題が論じられ、討論を通して会場内でそれを共有することが出来ました。
 特別講演では「JR福知山線列車脱線事故〜なぜ想像を超す救援活動ができたのか」として齊藤十内氏(日本スピンドル製造社長)が招かれ、社長として会社の操業を停止し、社員と共に救助活動を行う決断を下した経緯、その救助活動の実際が詳細に語られ、援助の手をさしのべることの勇気、人としての力を再確認しました。
 本大会ではすべてに共通して、苦悩に気付くという“視点”、またそこにさしのべられる援助の手という“手段”、さらなる援助のためにという“考察”が盛り込まれており、非常に学びの多いものでした。まずは、その人の苦悩に気付くこと、教わること、そのうえで何が出来るかを検討し、継続的に実践する。本大会を通して援助の手をさしのべることの重要性を再確認し、このような機会をいただけたこと自体、私自身に援助の手がさしのべられたのではないかという思いで閉会を迎えました。

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