Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.51
日本緩和医療学会ニューズレター
May 2011  51
Journal Club
終末期がん患者が経験する負担感:遺族の視点に基づく
有用なケアストラテジーの分類
健康科学大学健康科学部福祉心理学科  赤澤 輝和

Akazawa T, Akechi T, Morita T, Miyashita M, Sato K, Tsuneto S, Shima Y, Furukawa TA. Self-perceived burden in terminally ill cancer patients: A categorization of care strategies based on bereaved family members’ perspectives. J Pain Symptom Manage 2010; 40: 224-234.

【目的】
 「迷惑をかけてつらい」という負担感は終末期がん患者が高頻度に経験する苦悩であり、QOLに多大な影響を与えることが示唆されている。しかし、負担感に対するケアはほとんど議論されていない。本研究の目的は、緩和ケア病棟を利用した遺族の視点に基づき、終末期がん患者の負担感の頻度、経験的に推奨されているケアの有用性を明らかにし、負担感に対するケアのカテゴリー化を行うことである。
【方法】
 全国の緩和ケア病棟100施設から無作為に抽出された遺族666名に対して郵送法による自記式質問紙調査を実施した。経験的に推奨されている負担感に対するケアは系統的文献レビュー、フォーカスグループインタビュー、研究者間の議論により特定した。
【結果】
 429名(64%)より回答を得た。遺族の報告から、軽度を含めると50%の患者が負担感を経験していた。負担感の緩和にとても役に立つと評価された主なケアとして、「動く妨げになっている症状を和らげる(53%)」、「排泄物は患者様の目につかないよう、すみやかに片付ける(52%)」、「患者様のがんばろうとする気持ちを支える(45%)」、「などが示された。27の経験的に推奨されている負担感に対するケアは、因子分析により〔日常生活で負担感を感じさせない何気ないケアを工夫する〕、〔してもらっていると感じない言葉を使う〕、〔患者のやりたい気持ちを支える〕、〔患者が自分のことは最大限できるようにする〕、〔家族と気持ちを率直に言い合えるコーディネーションをする〕、〔いままで「してあげていたこと」を続けられるようにする〕、〔「違う見方」を紹介する〕の7カテゴリーに分類された。
【結論】
 わが国の終末期がん患者に負担感が認められることは稀ではなく、喪失感を最小化し、価値観を尊重した日常的ケアの重要性が示唆された。

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