Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.51
日本緩和医療学会ニューズレター
May 2011  51
Journal Club
緩和ケアについての市民・患者対象の啓発介入の実態調査
健康科学大学健康科学部福祉心理学科  赤澤 輝和

Akazawa T, Nozue Y, Imura C, Morita T. A field survey on educational activities for palliative care for citizens and patients. Palliat Care Res 2010; 5(2): 171-174.

【目的】
 緩和ケアの啓発介入としてポスターや冊子の一斉配布が実施されることがあるが、一斉配布後の実態を調査した研究はない。本研究の目的は、緩和ケアの啓発介入として地域に一斉配布された啓発用資料の配布後の実態を明らかにすることである。
【方法】
 緩和ケア普及のための地域プロジェクト(OPTIM)による市民対象の啓発介入として、OPTIMで作成された啓発用資料(リーフレット・冊子・ポスター)を一地域の行政施設104ヵ所、市立図書館21ヵ所、医療福祉施設132ヵ所に送付し、配布後の状況を訪問調査した。調査内容は写真撮影とヒアリングを行った。
【結果】
 一斉配布した257ヵ所のうち216ヵ所(84%)に訪問し、133ヵ所(62%)より調査の同意が得られた。啓発用資料のいずれかが設置されていた施設は、行政施設55%、市立図書館100%、医療福祉施設53%であった。多くの施設で設置方法が工夫されていた。ヒアリングの内容分析では、【目的を理解して設置することの重要性】、【配布場所に啓発の対象者がいないことがある】、【配布後工夫する】など7つのテーマが抽出された。
【結論】
 緩和ケアの啓発介入として、地域への啓発用資料の一斉配布は設置を目的とした場合ある程度有効であるが、効率よく情報を提供するためには設置場所管理者に目的を伝えることや対象者がいるか把握すること、配布後のフィードバックなどが有用である可能性が示唆された。

 本調査で撮影された啓発用資料の設置状態についてはホームページで公開されている
〔http://gankanwa.jp/region/hamamatsu/materials.html〕

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