Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.50
日本緩和医療学会ニューズレター
Feb 2011  50
学会印象記
第72回日本臨床外科学会総会
相模原中央病院  戸倉 夏木
 2010年11月21-23日に横浜で開催された第72回日本臨床外科学会総会の報告をさせていただきます。APECが11月に開催されたことで日曜、祝日に日程が変更され、PEACE研修会で週末がなくなっていた私にはうらめしくもありましたが、休日の学会はゆっくり発表を聞けるという意味で新鮮な感覚でした。本総会の会長は緩和ケア部長の経歴もあるNTT東日本関東病院の小西敏郎先生で、メインテーマは「変革期の今こそ最善の医療の追及を-Be the very best surgeon」とされ、特に学会初日に例年にも増して多くの緩和ケアのセッションが組まれていました。以前は緩和ケアに疎遠な外科の教授が座長となり、質疑応答もないまま発表が終わることもありましたが、今回は日本緩和医療学会で活躍される外科医を中心に随所で有意義な討論が行われていました。
 初日に「外科医の立場から緩和ケアを考える」という主題で10演題のシンポジウムと21演題の口頭発表があり、2日目には「緩和ケアチームの役割と分担」で8演題の発表がありました。数年前は外科医が発表する緩和ケアは外科的処置に関するものが多かったのですが、今回は「患者とのコミュニケーション」、「在宅緩和ケアと外科医の関わり」、「緩和ケアチームにおける外科医の役割」など、がん対策基本法以降、外科医が積極的に緩和ケアに取り組む内容が多かったと思います。一方で「医療用麻薬の使用開始が緩和ケアのスタートである」、「手術を学ぶ若手外科医には負担を軽減するための緩和ケアパスが必要である」といった発表もあり、シームレスな緩和ケアを担う外科医の認識として疑問に思うものもありました。手術技術を供覧するビデオセッションは黒山の人だかりができますが、今後外科系学会における緩和ケアのセッションが大いに盛り上がるよう、私自身も外科医の見地から緩和ケアの啓発に努力しようと再認識しました。

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