Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.49
日本緩和医療学会ニューズレター
Nov 2010  49
学会印象記
第15回日本緩和医療学会学術大会参加報告
慶應義塾大学病院 療養支援室看護師  木村 理恵子
 2010年6月、東京での開催でしたので午前中緩和ケアチーム活動後、シンポジウム1「がん性疼痛治療を見直してみる─新しい「がん疼痛ガイドライン」をめぐって─」に駆け込みました。
 シンポジウムでは、演者のがん疼痛緩和についてのエビデンスに基づいた知識と実践知、それらを組み合わせたプレゼンテーションに感心しました。特に疼痛緩和を早く達成するためには患者さんがレスキューを使うかどうかがポイントであること、そのために電話を活用したレスキュー使用の促しや調剤薬局との連携による副作用対策の徹底、オピオイド使用のバリア(近親者のオピオイド使用体験の影響やオピオイドを使いたくない患者の気持ち)への配慮が重要であることなどを理解しました。患者への説明では、レスキューを「1時間空ければ何回でも使っていいですよ」よりも「一日6回までは使っていいですよ」と使える回数として伝えたほうが患者さんはそこまでは使っていいんだと安心して使えること、一日のレスキュー回数は必ずしもベース量増量の目安にはならないこと、入院患者では、レスキューを飲もうと思うまでの時間と手元にレスキューが届くまでの時間の両方を短くすることが大事であること、その他、副作用対策のポイントなど、日頃そうかもしれないなあと思っていたことをすっきりと説明していただきました。
 パネルディスカッション2「在宅緩和ケアの基本と実際」では、医師に対する緩和ケア講習会で配布される「緩和ケアハンドブック」が、現場で共通の緩和ケアのツールとして役立っていることが紹介され、講習会を手伝っている緩和ケアチームメンバーとしてもうれしい気持ちで聞きました。病院の医療者が患者を病気の人としてだけでなく、生活している人とイメージできるように、在宅側からの工夫として、退院前カンファレンスの実施や退院後の様子を在宅側から病院に伝えるなどが挙げられました。また、主たる介護者がいない、経済的困難、高齢者のみの世帯など通常は在宅療養が無理と考えがちな事例でも、どうすれば出来るかを問いかけ、時間をかけること、出来ることを共に考えることで道が開けることもあると教わりました。
 最後に学会には参加するたびに本当に学びがあります。皆さんもどうぞ毎回参加して楽しんでください。

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