Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.49
日本緩和医療学会ニューズレター
Nov 2010  49
Journal Club
神経障害性疼痛に対しガバペンチン投与後に発症した、
終末期がん患者におけるミオクローヌスの2例
新潟県立加茂病院  本間 英之

Hideyuki Honma, Satoshi Chihara, Rie Yamada. Two cases of myoclonus following administration of gabapentin for neuropathic pain in the end stage of malignancy . Palliat Care Res 2010; 5(1): 308-13.

【緒言】
 抗てんかん剤であるガバペンチンは神経障害性疼痛に対し、有用性が報告されており広く投与が行われている。当科では終末期がん患者の神経障害性疼痛に対してガバペンチンを投与後、ミオクローヌスを認め、中止後すみやかに改善した2症例を経験したので報告する。
【症例】
【患者1】70歳代、女性。診断:子宮肉腫、腰椎浸潤。
左下肢に認めた神経障害性疼痛に対しガバペンチン200mg/日を投与。4カ月後、症状の増悪に伴い増量し400mg/日投与としたところ、増量3日後より左上肢にミオクローヌスの出現を認めた。ガバペンチン投与を中止し、2日後に回復した。
【患者2】 80歳代、男性。診断:左腎細胞がん、大動脈周囲リンパ節転移。下肢の神経障害性疼痛に対しガバペンチン200mg/日を投与。開始翌日より体幹・四肢に渡る広範囲のミオクローヌスを認めた。中止翌日にほぼ改善した。
【考察】
 ミオクローヌスはガバペンチンのまれな副作用ではあるが、終末期がん患者では、低用量でも発症する可能性が示唆された。また、ミオクローヌスの発症にガバペンチンが寄与する程度は多様と推測されるが、症状改善にはガバペンチンの投与中止が重要であり、中止後は早期の改善が期待できる。
【コメント】
 ガバペンチンは薬物相互作用が少なく、副作用の少ない優れた薬剤である。当科でも神経障害性疼痛に対して広く使用しており、良好な効果を認めている。しかし抗てんかん薬であるガバペンチンの使用でミオクローヌスを認める場合があることは以前より報告されており、報告した終末期がん患者の2症例では、投与量が比較的少量であったにも関わらず発症した。発症機序に関しては未だ不明な点が多いが、投与の中止が速やかな改善に有効なようだ。

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