Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.49
日本緩和医療学会ニューズレター
Nov 2010  49
口演 優秀演題
外来がん化学療法患者の自己効力感に影響する有害事象
演者  JA愛知厚生連江南厚生病院  林 亜希子
 「外来がん化学療法患者の自己効力感に影響する有害事象」という研究は、化学療法の標準化や支持療法の拡充など様々な要因によって増加し続けている外来化学療法患者を、医療者はどのようにして支援するかという課題を探るためのものでした。外来での治療を継続していくには、有害事象に対するセルフケア能力が欠かせません。そこで、近年セルフケアを支援する視点として注目されている“自己効力感”に着目し、自己効力感に関連する要因を明らかにすることで、外来化学療法における看護支援の示唆を得たいと考えました。方法は、地域がん診療連携拠点病院の外来化学療法室で治療中の患者を対象にした自記式質問紙調査法です。自己効力感については平井らの「進行がん患者の自己効力感尺度」を使用しました。分析の結果、自己効力感に影響する有害事象として、情動統制に対する効力感では不眠と倦怠感、症状コントロールに対する効力感では食欲不振と呼吸困難、 ADLに対する効力感では食欲不振と不眠、が明らかになりました。つまり、不眠、食欲不振、呼吸困難、倦怠感の4症状の緩和が自己効力感の向上に繋がることが示唆されました。また、その自己効力感は気持ちのつらさとQOLに影響しており、自己効力感を高める支援を行うことが、外来がん化学療法患者のつらさを軽減し、QOLを高めることが示唆されました。
 本研究は、がん看護専門看護師コースを専攻しながら、名古屋大学大学院医学系研究科看護学専攻の修士論文で取り組んだ研究の一部です。現在は、JA愛知厚生連江南厚生病院の外来化学療法センターに所属しています。本研究にて得た成果を念頭に、外来化学療法患者を支える看護の質向上に向けて、スタッフと力を合わせて課題に取り組んでいるところです。入職して約半年が経ち、まだ目に見える成果を得ることはできていませんが、この賞を励みに、今後も地道に努力していきたいと思います。大会関係者の皆さま、ここまで私を支えてくださった皆さまに心より感謝申し上げます。

Close