Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.49
日本緩和医療学会ニューズレター
Nov 2010  49
口演4
在宅ケア・地域連携
座長・報告  医療法人社団医創会セレンクリニック  高橋 秀徳
 最初の演題は「在宅緩和ケアにおける患者・家族からの往診要請の解析」(渡辺邦彦先生:医療法人陽気会在宅ホスピスとちの木)で、緩和ケア病棟勤務を経て在宅ホスピス開業3年間の報告で、片道80kmとかなり広範な地域を対象としていること、受診から亡くなるまでの期間が1カ月未満である患者が6割に上ること、緩和ケア病棟勤務時代に比べて緊急対応の往診要請が予想以上に多く「今は黎明期と考えて特に苦痛に感じていることはないが、今後は近隣の医療施設との連携体制や教育体制の整備について考えていきたい」とのことであった。
 「当院における在宅緩和ケア推進に向けての取り組み〜アットホームプロジェクト〜」(高島留美先生:富山県済生会高岡病院緩和ケアチーム)では、在宅緩和ケア移行推進に向けた病院の取り組みとして、スクリーニング抽出された外来患者に関する外来カンファレンスを定期的に行うことで早い段階からの状況共有が可能になり、在宅移行直前には短期入院による調整を行うというプロジェクト導入前後で在宅移行率が26.5%→91.7%に変化したとのことであった。
 「地域がん診療連携拠点病院におけるがん看護の現状〜医療者からの相談の特性〜」(武田千津先生:愛媛県立中央病院看護部)では、がん相談支援室におけるがん看護専門看護師とがん化学療法認定看護師に対する医療者からの相談は年々件数が増加しており、特に医師から外来患者に関する相談が増えているとのこと。外来患者については、院内緩和ケアチームよりも、相談しやすいのではないかとのことであった。
 「PCA機能付き携帯型精密輸液ポンプ貸出に向けての取り組み」(奥村佳美先生:小牧市民病院緩和ケアチーム)では、PCAポンプ使用中の入院患者が外出・外泊する際の対応方法に関する取り組みとして、院内の各種委員会での折衝の中で「患者のために」という思いを伝えることを通じてマニュアル化実現に至った経緯をご紹介頂いた。
 まだまだ在宅ケア・地域連携については各施設が試行錯誤の段階であり、がん対策基本法の理念の実現に向けた今後の取り組みがますます期待される。

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