Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.48
日本緩和医療学会ニューズレター
Aug 2010  48
Journal Club
フェンタニル貼付剤からのオピオイドローテーション, 投与量の検討
明和病院 薬剤部 谷村紀代子

谷村紀代子、野村浩英、藤井一美、恩田誠二、光信正夫 フェンタニル貼付剤からのオピオイドローテーション,投与量の検討 Palliative Care Research 2010; 5(1):301-307

【目的】
 フェンタニル貼付剤(FP)からオピオイドローテーション(OR)を行い、換算量より少ない投与量で除痛した症例を経験した。(経口モルヒネ:フェンタニル=100 : 1 )そこで、 FPからORする場合の投与量について検討する。
【方法】
 当院の入院患者からH16年10月〜H21年5月の期間にFPを貼付しORをおこなった患者を抽出し、 OR前後のレスキューを含むオピオイドの1日の総投与量について比較検討した。 OR前後で鎮痛効果に影響を及ぼす追加の処置や併用薬に変更があった症例は対象外とした。
【結果】
 対象となった14症例の OR後の平均投与量は換算量の76%であった。OR後の投与量は11症例(79%)で換算量より少なく、その中の2症例は換算量の25%で除痛した。換算量より多かった症例は3症例(21%)のみであった。またOR前のFPの投与量が75?/hr以下の症例では、OR後の投与量が換算量の101% (n=5)であるのに対し、75?/hrを超える症例では63% (n=10)であった。
【結論】
 がん性疼痛に対しFP 75?/hrを超えても除痛できない症例はORを考える必要があり、その投与量は約60%に減量して開始するのが安全であると考える。もちろん減量しても痛みの変動に注意し、レスキューを用意し、退薬症状にも注意が必要である。
【コメント】
 今回の調査は、「がん疼痛では85%の患者での経口モルヒネ必要量が30〜180mg/day以下である」というガイドライン1)の記載をFP 75?/hr以下であるとして検討をおこなった。

1)日本緩和医療学会がん疼痛治療ガイドライン作成委員会編。がん疼痛治療ガイドライン。真興交易(株)医書出版部、東京、2000、60-61

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