Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.48
日本緩和医療学会ニューズレター
Aug 2010  48
Journal Club
がん性疼痛緩和ケアを目的とした看護師によるマッサージの
活用と関連要因の検討
(株)緩和ケアパートナーズ  新幡智子

新幡智子,小松浩子.がん性疼痛緩和ケアを目的とした看護師によるマッサージの活用と関連要因の検討. Palliative Care Research 2010;5(1):101-113.

【目的】
 全国のホスピス・緩和ケア病棟におけるがん性疼痛緩和ケアを目的とした看護師によるマッサージの活用状況と、その活用に影響を及ぼす関連要因を明らかにする。
【方法】
 全国の緩和ケア病棟承認施設に勤務し、がん看護の臨床経験が2年以上ある看護師989名を対象に、質問紙調査を行った(調査期間: 2006年6月〜10月)。質問紙は、研究者が作成し、関連要因については、「看護師の持つ特性」「看護師を取り巻く環境の特性」「看護師がマッサージを行おうと思う患者の特性」の3つの視点から、調査項目を構成した。データ分析には、SPSS (Ver.14.0)を用い、ロジスティック回帰分析を行った。本研究は聖路加看護大学研究倫理審査委員会の承認後に実施した。
【成績】
 有効回答数は、606名(61.3%)で、95.7%の看護師は日々のケアとしてマッサージを取り入れ、気持ち良さの増進や不安の軽減など様々な効果を認識していた。実際に行っているマッサージの種類は、特定の方式によらない方法が全体の91.9%と最も多かったが、アロマセラピーマッサージやリンパマッサージといった専門的な方法も40%以上が実施していた。そして、マッサージを定期的に行い、専門的な方法も含めて複数実施している場合を「積極的な活用」、それ以外を「控えめな活用」としてロジスティック回帰分析を行った結果、積極的な活用には、「がん看護の臨床経験年数」が長く(OR:2.51, 95%CI:1.20~4.80)、「マッサージに関するアセスメント能力」が高い(OR:1.18, 95%CI:1.09~1.27)ことが統計学的に有意に影響を及ぼしていた。
【結論】
 積極的にマッサージを活用していくには、臨床で培った経験知を活かすとともに、適切なアセスメント能力を向上させる必要があり、より有効なマッサージの活用の普及を追究していくうえで、教育体制の充実が課題である。

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