Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.48
日本緩和医療学会ニューズレター
Aug 2010  48
口演10
家族・遺族ケア・調査研究
座長・報告   筑波メディカルセンター病院 緩和医療科  久永 貴之
 このセッションでは遺族調査3演題とその他の調査研究1演題の発表があった。
 東北大学の宮下氏らは、海外で用いられている緩和ケアの質の臨床指標(Quality Indicator)が妥当であるかを1つの緩和ケア病棟の遺族を対象に調査した結果、海外で指標とされているものの中でいくつかの指標は、日本では適切とは言えず、独自の指標の開発が必要であることを報告した。
 神奈川県立保健福祉大学の木下氏らは、全国の一般集団を対象とした5000部の郵送調査により、集中治療室で亡くなった遺族179名が抽出され、療養の質に関して一般病棟との比較がされた。結果として遺族の評価では、一般的に低いと考えられている集中治療室での療養の質が、ほとんどの項目で一般病棟と差がみられなかったと報告した。
 山口宇部医療センターの片山氏らは、緩和ケア病棟入院中の48例を対象として血清マグネシウムを測定した観察研究の結果、8例の低マグネシウム血症と2例の高マグネシウム血症を認めたが、それに伴う臨床症状は認めなかったことを報告した。
 尼崎医療生協病院の加山氏らは、同院で行った133名の遺族調査において死別において辛かった事柄や背景因子と悲嘆の強度との関連について検討され、配偶者であることなどが悲嘆が強くなる因子として挙げられ、危険因子がある場合には家族ケアに注意が必要と報告した。
 遺族調査が大半を占めたが、これらの遺族からの視点を生かすことで、これからのケアの質を向上させていくことが求められていることをセッションを通じて確認することができた。

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