Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.48
日本緩和医療学会ニューズレター
Aug 2010  48
パネルディスカッション4
緩和ケアチームが取り組む精神症状の緩和
座長・報告  千葉県がんセンター 精神腫瘍科  秋月 伸哉
座長  筑波大学大学院人間総合科学研究科  木澤 義之
 精神症状緩和は緩和ケアチームの重要な役割の一つであり、国際的には多職種医療チームによる精神症状緩和モデルも示されつつある。国内では各施設の緩和ケアチームによる試行錯誤の段階である。このセッションでは緩和ケアチームが精神症状緩和を行う際にチーム内でどのような連携を行うべきかについて議論することを目的とした。
 最初に緩和ケア医の立場から名古屋市立大学の坂本雅樹氏が発表した。チームによる精神症状の見落としを防ぐこと、継続的に関わること、緩和ケア医と違った立場で主治医にフィードバックすることなどが精神科医への期待として報告された。精神科医の立場から国立がん研究センター中央病院の清水研氏が、対象とする症状の薬物療法と精神療法の必要性のバランスの違いにより精神科医、精神科専門看護師、心理士の役割を考えて診療を行っていること、カンファレンスを通じてチーム全体で目標を共有していることを報告した。最後に心理士の立場から千葉県がんセンターの堂谷知香子氏が、一般的な心理士の業務と異なり、チーム医療における心理士は身体状態を含む包括的な評価も不可欠であり、受け身ではなく積極的に他職種に働きかける能動的なモデルが必要であることを報告した。3名のパネリストが所属する施設には専従精神症状緩和担当スタッフが活動しており、年間数百件のコンサルテーション活動の経験に基づく報告であった。そこでは個人として精神症状緩和に臨むだけではなく、チーム全体でゴールを共有し、それぞれの役割を意識しながら活動を行うことの重要性が強調されていた。総合ディスカッションでは、マンパワーが限られる専門家チームが一般医療スタッフに精神症状緩和を担ってもらうための方法や、非常勤であっても精神症状緩和の専門家が関わることによってがん医療に変化が起きえること、地域全体で専門家チームのスキルを共有する方向性など、活発な議論が行われた。

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