Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.48
日本緩和医療学会ニューズレター
Aug 2010  48
特別講演4

緩和医療薬学―基礎から臨床へ―

座長・報告  恩賜財団 済生会横浜市南部病院 薬剤部  加賀谷 肇
 緩和医療薬学は緩和医療における薬物療法を薬学的観点から遂行・支援して行くことを目的にしている。
 講演は、はじめ平成19年に設立された日本緩和医療薬学会(鈴木勉代表理事)について概説し、次いで基礎薬学の緩和医療への貢献について触れられた、その骨子を以下に要約する。
    1.年会もこれまでに3回行い、認定事業にも着手した。
    2.第1回緩和薬物療法認定薬剤師71名が本年4月に認定された。認定者について特筆すべきこととして保険薬局薬剤師が3名含まれていることである。保険薬局の数からすると認定者は少ないと言わざるを得ないが、今後在宅における緩和医療を推進する上で、多くの保険薬局の薬剤師が認定試験にアプライしてほしい。
    3.学術雑誌を年4回発行し、基礎から臨床への橋渡しを担っていること。
    4.薬・薬・学の連携が大きなテーマで、すなわち病院薬剤師、保険薬局薬剤師、大学の教育研究者が密な連携を計ることで、臨床現場での薬・薬連携によって緩和医療を薬理学、薬剤学、毒性学などの教育研究者が支援していること述べられ、臨床での問題点を基礎で詳細に検討して、その成果を臨床に反映していくことが重要性である。
    5.がん疼痛などの疼痛治療に医療用麻薬を用いた場合に精神依存が問題にならないこと、そしてそのメカニズムの解明、副作用対策についてのエビデンスが示された。
    6.NMDA受容体拮抗薬であるイフェンプロジルはMR1とNR2Bサブユニットで構築された鎮痛補助薬であり、その有用性と安全性についても基礎と臨床のデータを基に説明。
 朝一番のプログラムにも関わらず多くの聴衆で会場は一杯となり、予備に用意された講演中継会場も立ち見がでる盛況ぶりだった。また、医師、看護師等の聴衆参加者も多く会場に足を運んでいただいて、熱気溢れる雰囲気に会場が包まれた。

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