Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.48
日本緩和医療学会ニューズレター
Aug 2010  48
総会の総括
第15回日本緩和医療学会学術大会を終えて
いつでもどこでも緩和ケアを提供できる社会への第1歩
筑波メディカルセンター病院 緩和医療科 志真 泰夫
 第15回日本緩和医療学会学術大会を6月18、19日の2日間、東京国際フォーラムで開催しました。がん対策基本法の施行以降、大きく変わりつつある緩和医療の現状と今後の課題が浮き彫りとなった学術大会でした。
 ○学術大会の規模と事前登録について
 学術大会の参加者数をみると、事前登録参加者3,978名、当日参加者 2,862名、合計6,840名と6,000名を大きく越える参加者数でした。参加者数は、東京国際フォーラムの賃借料等から予算の目標として、6,000名を見込んでおり、なんとか目標を達成できたことは幸いでした。また、事前登録のシステムは、ある程度参加者数の予測ができることと当日参加者の受付での混雑を避けることができた、という点で有用でした。今後も継続してよい方法と考えます。
 ○一般演題の応募と査読
 第15回学術大会では過去最多の1019題の一般演題が集まりました。演題数は年々増加しています。そこで、研究発表の質を向上させることを目的として第13回大会より査読を行うようになり、今回で3回目となりました。査読の結果、採択された演題は828題(採択率 81%)でした。しかし、今回の査読の経験を通じて「査読の質」「採択の基準」などいくつか問題点が明らかとなりました。
 ○基調講演と特別講演
 第1日目午前中の基調講演、特別講演は緩和医療学会15年の歴史と重みを感じる、充実した人選と内容だったという評価を何人かの人からいただきました。「基調講演はとても感動しました」ということばもいただき、身に余る光栄だと思っています。緩和医療学会が「少年期」から「青年期」に成長していくこの時期に基調講演の機会を得たことは、私自身もとてもありがたいことでした。
 ○パネル・ディスカッション、シンポジウム、ワークショップなど
 ガイドラインが出版されたのに合わせてシンポジウムを企画したのはよかったという評価の一方で、どうしても聞きたいシンポジウムなどが重なってしまったのが残念だったという意見がありました。学会としてここは多くの人に参加してほしいというセッションの時には他にプログラムを作らずにプレナリーセッションとして行うほうがよいのかもしれません。また、臨床研究のワークショップは会場が小さく、中継会場にも立ち見がでるほどの盛況ぶりでした。やはり臨床研究への関心が高まっているのではないかと思います。
 ○その他
 中継会場があってよかったという意見を多く聞きました。可能であれば、中継会場からの質問の受付ができるとよいという意見もありました。事前登録でランチョンセミナーの予約が取れたのもよかったという意見が多く聞かれました。例年、学術大会2日目の午後は参加者がどんどん帰ってしまうのですが、「今回はプログラムに引っ張られ、多くの人が2日分まるまる楽しんでいったような印象です」という声を聞き、主催者として疲れたけれども達成感を感じています。組織委員の皆さんをはじめ、運営に協力を頂いた多くの方々に心から感謝します。

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