Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.47
日本緩和医療学会ニューズレター
May 2010  47
学会印象記
第24回日本がん看護学会学術集会に参加して
聖路加国際病院 オンコロジーセンター ブレストセンター  大畑 美里
 このたび、第24回日本がん看護学会学術集会に参加いたしました。学会当日の内容など簡単にご紹介させていただきます。
 本学会は「がんとの共生を実現する看護」をメインテーマに、東静岡の静岡コンベンションセンターにおいて2月13‐14日の2日間にわたり開催されました。開催期間中はお天気にも恵まれ、会場の近くからは雪を被った雄大な富士山を望むことでき、すがすがしさを感じることができました。本集会のプログラムはがんを体験し意識しながら生きている方々の「がんとの共生」を実現するための専門職としてがん看護の本質について討論し、がん看護の向上に繋がる研究活動報告やセミナーなどが催されていました。
 本学会教育研究活動委員会事業として、がん化学療法看護実践者であるDuke Oncology Network のMarty Polovich氏によりONS Guidelines;Bringing Evidence Based Practice をテーマにガイドラインに関する教育セミナーも行われました。Polovich氏は、根拠に基づくガイドラインを活用することで質の保たれたケアの標準化を目指すべきであると説明され、本学会理事長である司会の佐藤禮子氏とのディスカッションを通して「日本におけるがん看護の施設格差をなくし、すべてのがん患者へ十分なケアを提供していく意識を看護師一人一人が持つべきである」と述べられ、強いメッセージを感じました。
 各会場では、看護師が提供することのできる叡智を終結したケアの具体的方法が含まれた研究・活動報告が行われておりました。特に外来化学療法中の看護をテーマにしたものでは、現在がん治療の領域で多く使用されるようになった分子標的薬を使用した化学療法の管理方法や有害事象に対するケア方法が多数報告されていました。また外来と病棟、在宅と入院にまたがる施設間で継続的にケアを提供するための情報交換ツールなどの報告も興味深く、まさしくがんと共生する多くの患者を様々な側面から支援する看護の役割の重要性を意識し、ケアの技術を向上させるだけでなく高い質を保つ医療サービスの均てん化に向けた組織作りも必要であるという思いを持ちました。

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