Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.46
日本緩和医療学会ニューズレター
Feb 2010  46
施設訪問記
小松病院  緩和ケア病棟・ひまわり
千葉県立保健医療大学  安部能成
 大阪では私鉄が発達しているが、大手私鉄の京阪電車沿線では唯一の緩和ケア・ホスピス病棟が今回の訪問施設「ひまわり」である。寝屋川市駅は、大阪の京橋駅から急行で11分、京都の四条駅から急行で50分。ひまわりは、駅から徒歩で約15分の距離にある。
 医療法人協仁会小松病院は、大阪府寝屋川市において、クリニック、介護老人保健施設、グループホーム、訪問看護ステーション、デイサービスセンターなど、多くの施設を展開している。このことを背景に持つためか、ホスピスケア病棟の案内には、・入院によるホスピスケア、・通院によるホスピスケア、・在宅によるホスピスケアが、トライアングルのように描かれていた。
 その中核をなす小松病院の最上階に18床の小さなホスピス病棟があった。歴史的にみて、大阪は日本で一番古い町のひとつである。したがって、土地利用は高度で、密度が高い。このホスピスケア病棟「ひまわり」もビルの屋上に位置している。英国では、人々が土に近づくことを求めるため、ホスピスは平地に立っていることが多い。しかし、これまで訪問してきた日本のホスピス緩和ケア病棟は、建物の最上階と地上設置が半々であった。確かに、土に近いのはひとつの安らぎをもたらす面がある。四季折々の自然と接するためには、庭園を持つ方が望ましいであろう。けれども、死期が迫るほどに御本人は動けなくなるので、御家族をはじめとした訪問者の利便性を考えることも大切なのではないか、と思えてくる。
 要は、ハードではなく、建物の中でのサービス、つまりソフトウェアなのかもしれない。その点では、狭い空間ながら様々の工夫により、心の安らぎをもたらそうという工夫が見られた。そのひとつが、カウンセリング・サービスである。医師・看護師だけにとどまらないチームケアは、昨今の緩和ケアの潮流となっている感があるが、小松病院でも臨床心理士や音楽療法士の活動が見られた。けれども、老人保健施設をはじめ多数のスタッフを抱えているリハビリテーション専門職の参加が見られなかったのは少々残念であった。
 訪問当日に案内して下さった看護次長の山田育子ナース、また、今回の訪問実現に際し、御紹介の労をおとりくださった谷壮吉先生ありがとうございました。この場をお借りして御礼申し上げます。

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