Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.46
日本緩和医療学会ニューズレター
Feb 2010  46
Journal Club
緩和ケアに関する医療者の知識を評価する尺度の信頼性と妥当性
東京大学大学院医学系研究科 緩和ケア看護学分野  中澤 葉宇子

Nakazawa Y, Miyashita M, Morita T, Umeda M, Oyagi Y, Ogasawara T. The Palliative Care Knowledge Test (PCKT): the reliability and validity of an instrument to measure palliative care knowledge among health professionals. Palliat Med.(in press)

【目的】
本研究の目的は、緩和ケアに対する医師や看護師の知識・態度・困難度を評価するための尺度を作成し、信頼性と妥当性を検証することである。

【方法】
文献検索と専門家による議論をもとに40の予備項目を作成し、信頼性・妥当性を検証するための調査を実施した。調査は自記式質問紙法によって行い、2007年8月に2施設の看護師940人、1ヶ月後の再調査では同施設の看護師204人を対象とした。分析は、項目反応理論、the Kuder-Richardson formula-20、級内相関係数の算出を行った。

【結果】
本調査では797人(85%)、再調査は151人(74%)から回答を得た。分析の結果、「理念」「疼痛・オピオイド」「呼吸困難」「せん妄」「消化器症状」の5ドメインから構成される20項目(PCKT)が選定された。内的一貫性の指標であるThe Kuder-Richardson formula20(KR-20)は全項目で0.81であった。また、再現性の指標である級内相関係数は全項目で0.88、各ドメインでは0.61〜0.82であった。

【結論】
計量心理学的方法を用いて、緩和ケアに対する医師や看護師の知識を評価する尺度を検討し、信頼性と妥当性が保証された尺度を開発した。PCKTは緩和ケアに対する医師・看護師の実態調査や、教育プログラムの評価に有用である。

【コメント】
PCKTは20項目で構成され、各項目について「1.正しい」「2.間違っている」「3.分からない」で回答します。現状のアセスメントや改善点の同定、講習会の評価などに簡単に使用することが可能です。すでに第3次がん総合戦略研究事業「緩和ケアによる地域介入研究」による医師・看護師調査や、日本医師会に委託された大規模医師調査などにも用いられています。PCKTの最新情報についてはホームページから入手可能です(http://www.pctool.umin.jp)。なお、本尺度の使用にあたり許諾を得る必要はありません。

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