Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.45
日本緩和医療学会ニューズレター
Nov 2009  45
学会印象記
Palliative Care 2009 Together!
─第10回オーストラリア緩和ケア会議・第8回アジア太平洋
ホスピス会議合同大会に参加して
千葉県立保健医療大学健康科学部  安部能成
 成田を夜11時に出た飛行機は、翌朝6時前には現地に到着していた。途中停車なし、窓も開かないが、昔懐かしい夜行急行のように感じた。食事サービスは2回もあって、こちらの方がずっと豪華であり、そのたびにおいしいワインが選択できた。少々肌寒い春ではあったが9月24日から27日まで、10th. APCC (Australian Palliative Care Conference) & 8th. APHC (Asia Pacific Hospice Conference)合同大会が、抜けるような青空の西オーストラリア州パース市で開催された。参加する機会を得たので、ご報告申し上げたい。
 本会議前日の24日には半日単位のホスピス見学会、及び、前日または半日の初級・中級のセミナーも行われた。筆者は午前中、シルバーチェイン(パース市周辺で在宅緩和ケアに取り組んでいる組織)による、訪問緩和ケアの実践に関するセッションに参加したが、自宅に基盤を置いた介入には学ぶことが多かった。午後は10人のグループで、市内にあるベセスダ病院の緩和ケア病棟を見学した。20床なので、日本の平均的なホスピス緩和ケア病棟と同程度の規模である。しかし、建物はゆったりとしたつくりで、患者さんが歩行器で歩いていて活気があったし、御家族が付き添っている方も多かった。
 本会議冒頭の開会式で柏木哲夫先生が、合同大会のシンボルである2羽の首の長い黒白鳥(西オーストラリア州の鳥)を題材に「首が長すぎると思うが、日本では首が長いことは寿命が長いことを意味する」と、ユーモアあふれるスピーチをされたのが印象的で、本大会中あちらこちらで話題になっていた。
 本会議では、25日午前:11セッション、午後:11セッション、26日午前:11セッション、午後:8セッション、27日は午前のみ:10セッションの、口述発表があった。各々のセッションは、大会場での講演、中会場ではシンポジウム、小会場の参加型ワークショップ、と会場規模に応じた構成がとられ、適度の距離感を持ちながら、興味深く発表に接することができた。日本からも、医師、看護師、ソーシャルワーカーらが英語で口述セッションの発表をされていたのが心強い。
 この他に264演題のポスター発表があった。国際学会では抄録に掲載されても当日欠席が散見されるが、今回は14演題(全体の5.3%)のみであった。我が国の緩和医療学会も欠席は少ないが、このように高い出席率は筆者の知る限りでは珍しく、参加者の真摯な態度が感じられた。近年の傾向である最優秀ポスターはイスラエルの方が獲得した。
 なお、11th. APCCは2011年8月30日〜9月2日までクイーンズランド州で、 9th. APHCは2011年7月14日〜7月17日までマレーシアで開催されることがアナウンスされた。日本からも奮っての御参加をお願いしたいとのことであった。

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