Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.45
日本緩和医療学会ニューズレター
Nov 2009  45
Current Insight
日本人のターミナル患者の心理・実存的苦悩を軽減するための
宗教的ケアに対する評価−遺族の視点から
聖マリア学院大学  安藤 満代
 本研究は、緩和ケア病棟で家族が亡くなった遺族を対象として、受けた宗教的ケアの有用性の評価と、今後、終末期の患者の心理―実存的苦悩を軽減するために、どのような宗教的ケアが有用であるかの評価を調べることを目的とした。日本の緩和ケア病棟に入院し、がんで家族を亡くした遺族592人に質問紙が送られ、378人から返送があった。質問紙は、緩和ケア病棟で受けた宗教的ケアに対する評価と、今後のために、どのような宗教的ケアが終末期がん患者の心理―実存的苦悩を軽減することに有用と思うかについての内容であった。その結果、約25%(n=83)の患者が宗教的ケアを受け、75%(n=255)が受けていなかった。患者が宗教的ケアを受けた遺族は、宗教的ケアについて、“パストラルケアワーカと会う(86%)、”“宗教的サービス(82%)、”“宗教的音楽(80%)”が「とても有用」か「有用」と評価した。さらに、緩和ケア病棟を利用した遺族は、宗教的ケアを受けた人も、受けなかった人も含めて分析すると、“宗教的サービスに参加する(56%:「とても有用」もしくは「有用」、44%:「あまり有用でない」もしくは「有害」)、”“宗教的雰囲気(48%、52%)、”“パストラルケアワーカに会う(50%、50%)、”“医師による宗教的ケア(26%、74%)、”“看護師による宗教的ケア(27%、73%)であった。患者が宗教的ケアを受けた遺族は、有意に、宗教的ケアは、今後の患者のために有用であると評価した。これらの結果から、全般的に患者が宗教的ケアを受けた遺族は、宗教的ケアは有用と評価していた。今後のためには、遺族のなかには、有用という方と、そうでないという方がいた。日本では、宗教を持っている方に、より、宗教的ケアは有用かもしれない。
(出典:http://www3.interscience.wiley.com/journal/122605534/abstract)

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