Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.45
日本緩和医療学会ニューズレター
Nov 2009  45
口演1

緩和ケアチーム

座長・報告  埼玉県立がんセンター  余宮 きのみ
座長  十和田市立中央病院  蘆野 吉和
 当セッションでは、緩和ケアチームによる院内アンケート調査の報告が3題、発表された。そのうち、PCUを有する施設から2題の発表があった。一つは、1.和歌山県立医科大学付属病院で、PCT活動開始から1年の時点で、院内の医療者にアンケートを行った結果、依然「緩和ケア=終末期医療」と考える医療者が多く、看護師の半数は、疼痛のケアが不十分と考え、医師の約6割は精神面のケアが不十分と考えていた。早期からの緩和ケアやPCT活用の啓発を行っていく必要性がうかび上がった。もう一つは、2.社会保険神戸中央病院で、全医師がPCTに満足しているとの結果が得られ、その要因として、迅速な対応、相談しやすい雰囲気、緩和ケア研修による医師の技量向上、実績の積み重ねなどが挙げられた。また、PCUを有さない施設のアンケート調査として、3.東海大学医学部付属病院では、PCT開始前と4年後に、院内医療者に意識調査を行った結果、PCTによって緩和ケアの質が向上したとの認識が高く、疼痛緩和に関する適切な回答も9割以上に増加していた。その一方で、医療者自身が精神的サポートを受けたいとの回答は、PCT開始前と比べ有意に増加しており、情緒的側面への配慮の必要性が浮かび上がった。
 このほか、PCTの精神症状へのかかわりについて4題の発表があった。4.慶應義塾大学病院では、精神科コンサルテーションリエゾンとPCTの診療を比較した結果、がんが進行するにしたがい抱える問題が多面的になり、精神科医単独よりも、PCTでのサポートが必要とされることが分かった。病初期に精神科を受診している患者が、終末期に至った場合、PCTへのスムースな移行が課題として挙げられた。7.東京大学医学部付属病院では、PCTへの依頼ニーズが、経年的に、終末期のコントロール困難な症状にシフトしていること、PCTの診療内容の4割に精神症状が含まれるが、主科によって評価されておらず、多くはPCTの往診で初めて介入対象となることが指摘された。PCTによる終末期の眠気、不眠、せん妄などの精神症状への対応の大切さを考えさせられた。5.京都大学医学部付属病院からは、PCTにおける臨床心理士の表現療法や身体技法を用いた具体的なかかわり、6.国立病院機構大阪医療センターからは、認知症や統合失調症に罹患しているがん患者で見られる、コミュニケーション、コンプライアンス、アセスメントなどの問題点が報告された。
 さらに、8.筑波大学大学院の笹原らは、デルファイ変法により病院内緩和ケアコンサルテーションチームの37項目の基準を開発した。今後、PCTの活動指針や活動の評価として利用されることが期待される。

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