Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.44
日本緩和医療学会ニューズレター
Aug 2009  44
学会印象記
第14回日本緩和医療学会学術集会
杏林大学医学部付属病院 リハビリテーション室
脳神経外科病棟専従理学療法士  境 哲生
 本学術集会に演題をエントリーするにあたり、脳腫瘍に対する緩和リハビリテーション(以下リハビリ)を、当院での脳神経外科病棟に専従リハビリスタッフと病棟内にもリハビリ室を配置する“Brain Surgery and Rehabilitation Unit”の紹介から報告させて頂こうと考えていた。しかし採択要件に合致しないこともあり、内容をADLにしぼり採択して頂いた。その厳しい採択要件(採択率56%)も学術集会に参加することで納得がいく状況は即座に感じられた。参加者の数がとても多く、朝・夕のセミナーからどのセクションにおいても満員で立ち見が出るほどで、熱心な聴講者の質疑応答も時間を余すことなく繰り広げられていた。2日間の開催にて、リハビリのセクションは1日のみの10演題であったことは、緩和医療の中でもリハビリの認知度が低いものと感じられた。数名の演者との討議の中で、セラピストは、臨床での緩和医療でのリハビリの必要性を患者や家族、セラピスト自身が感じていることは確かであるが、それを明確かつ具体的に提示することに難しさを感じている様子は否めなかった。緩和医療におけるリハビリは、ADLを基軸とした評価と治療の展開だけでは解決し難い問題があり、患者、家族のQOLの向上、維持という視点からの評価が重要である。しかしながらQOLの評価尺度を緩和リハビリで活用しアウトカムを出すことに難しさがあることで個々の現場における実践の障壁となっていると考えられた。緩和医療の展開される場所も病院から在宅、施設等様々で、多職種の関わりの実態を痛感した。今後は、リハビリもチームの一員として明確な形を提示していかなければと思った。満員の会場では、次のセクションの椅子取りに「私の分も取っておいてね」と学術集会内でもチームワークが展開されており、私も来年は、緩和医療だからこそチームで参加しようと心に思い、大阪を後にした。今大会の準備にご尽力を頂いたスタッフ方々に深謝致します。

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