Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.44
日本緩和医療学会ニューズレター
Aug 2009  44
巻頭言
日本緩和医療学会創立15周年
いつでもどこでも質の高い緩和ケアを
第15回学術大会の開催にあたって
筑波メディカルセンター病院 緩和医療科
志真 泰夫
 この度、2010年6月18、19日の両日、東京国際フォーラムにて第15回日本緩和医療学会学術大会を大会長として主催することとなりました。今回の学術大会のテーマは「いつでもどこでも質の高い緩和ケアを」といたしました。
 第15回学術大会は日本緩和医療学会にとって創立15周年にあたる節目の大会でもあります。振り返ってみますと、1996年に札幌で創立大会(柏木哲夫会長)を開催し、その後幾多の試練や紆余曲折を経験しながら、学術大会は年々その規模が大きくなり、大阪の第14回大会(恒藤暁会長)で参加者は学術大会2日間で5,500名を超えました。創立大会当時から学会の運営に携わってきたものとして、その発展ぶりには感慨深いものがあります。
 わが国の緩和ケアは、近年、ホスピス・緩和ケア病棟を主体とした時期から、病院緩和ケアチーム、在宅緩和ケアへと広がりを見せるようになってきています。この15年間はわが国にとって、緩和ケアのいわば「成長期」であり、人間で言えば「少年期」とでもいえる時期ではないでしょうか。学術大会のテーマを「いつでもどこでも」とした理由のひとつは、緩和ケアが、がん医療にとどまらず広く地域医療への広がりを持つ時期になってきたと思うからであります。しかしながら、昨今の急速な緩和ケアの広がりは、その質の低下と緩和ケアの提供体制の偏りを危惧させます。そこで、「質の高い緩和ケアを」としたのは、確かな専門性に裏打ちされた臨床実践を広く各地域に偏りなく進める方向性を示したいと考えたからです。
 質の高い緩和ケアをいつでもどこでも提供できる体制を作るために、本大会では、緩和医療の専門家として、チームとして、地域医療に携わる医療者として何ができるか、を考えるための様々な機会を提供したいと考えています。
 海外招待演者としてイギリス、シェフィールドを中心として活躍されているSam Ahmedzai先生、オーストラリア、バララットで地域緩和ケアに従事されているDavid Brumley先生、カナダマニトバ州で活躍されているPaul Daeninck先生、そして看護の世界からアメリカ合衆国、カリフォルニア州で活躍されているBetty Ferrell先生をお招きし、各国の地域緩和ケアの提供体制、その研究、教育についてご紹介いただき、我が国の緩和ケアの今後について活発な討論が展開されることを願っております。
 また、緩和医療における職種ごとのフォーラム、重要なテーマ毎のシンポジウムやパネルディスカッション、教育的なねらいをもつモーニングセミナー、ランチョンセミナー、等も企画しております。また、今大会からは会場運営の都合上、各セッションへの参加およびセミナーへの参加を事前予約制といたします。
 新たな試みに対して皆様の忌憚ないご意見を頂戴したいと考えております。

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