Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.43
日本緩和医療学会ニューズレター
May 2009  43
学会印象記
第9回千葉緩和医療研究会
千葉県立保健医療大学健康科学部 リハビリテーション学科  安部能成
 2009年2月28日の土曜日の午後、京葉銀行文化プラザ6階「欅の間」にて第9回千葉緩和医療研究会が開催された。休日にもかかわらず220名という過去最大人数(主催者発表)の参加者を得て、大ホールは満席状態という盛況であった。本発表会は、千葉緩和医療研究会と塩野義製薬株式会社による共催の形であるが、後援として、千葉県医師会、千葉県病院薬剤師会、千葉県看護協会、千葉県薬剤師会が挙がっており、最近の緩和医療を取り巻く職種拡大、という社会情勢を窺い知ることができた。
 プログラムは、一般演題(口述形式1演題5分間)、パネルディスカッション、特別講演、という3本立てで、13時から17時までの4時間としては内容豊富であった。
 一般演題は13であった。・終末期患者家族への積極的傾聴と介入:北村瑶子/千葉社会保険病院/看護師(発表者のみの氏名/所属/職種、以下敬称略)・本人・家族の苦痛が大きく、難治性疼痛も有したが、在宅療養が可能であった子宮頚癌の一例:宍戸秀樹/宍戸内科医院副院長/医師・長期臥床状態となった胆管がん患者に対する医学的リハビリテーション:安部能成/千葉県がんセンター整形外科/リハビリ・当院緩和ケアチーム介入症例における機械式PCAポンプの使用状況と今後の課題:関根龍一/亀田総合病院緩和ケアチーム/医師・がんを告知された患者・家族へのメンタルケア:橘稚佳子/成田赤十字病院/臨床心理士・緩和ケア病棟案内パンフレットの利用状況を報告する:三枝あけみ/君津中央病院緩和ケア病棟/看護師・地域がん診療連携拠点病院としての在宅がん緩和ケア地域連携への取り組み:岩井直路/国保松戸市立病院地域がん診療拠点病院運営委員会/医師・新規認定された地域がん診療連携病院の緩和ケアチームの現状と課題:濱田佑子/東京歯科大学市川総合病院緩和ケアチーム/医師・地域がん診療連携拠点病院としての緩和ケアの取り組み:豊田康義/千葉医療センター緩和ケアチーム/医師・山武地域における緩和医療の現況と当院の取り組み:篠原靖志/国保成東病院緩和ケアチーム/医師・緩和ケア活動におけるリンクナースの役割の認識及び実践状況と今後の課題:平野知子/日本医科大学千葉北総病院・看護部/看護師・緩和ケア病棟での臨床経験から思うこと:植園ゆかり/山王病院緩和ケア病棟/看護師・在宅緩和医療における訪問看護ステーションを(病院・保険薬局)薬剤師の役割:加藤久勝/国保成東病院薬剤部/薬剤師、から口述発表、及び、質疑応答があった。フロアの熱気と発表者の熱意から見ると、発表時間・質疑応答ともタイトであり、午前から始めるなど、もう少し余裕が欲しかった。
 パネルディスカッションのテーマは「各施設における緩和医療教育システムについて」で、渡辺敏千葉県がんセンター緩和医療科部長、塩原正之千葉市立青葉病院外科副部長を座長に、木下寛也国立がんセンター東病院緩和医療科医長、石井隆之成田赤十字病院外科部長、大岩孝司さくさべ坂通り診療所院長、田口奈津子千葉大学医学部付属病院麻酔・疼痛・緩和医療科助教、田中方士旭中央病院緩和ケア科部長をパネラーとして討論が展開された。大学などの教育機関では特に若い世代への教育の重要性が指摘され、他方、臨床では現任研修をいかに行っていくかが大切、という点に議論が収束していった。
 特別講演として、塩原正之千葉市立青葉病院外科副部長を座長に、坂下美彦千葉県がんセンター緩和医療科医長による「緩和医療の普及と千葉県がんセンターの役割」と題した講演が行われた。ここでは、早期からの緩和ケア介入と緩和ケア研修会、千葉県がんセンターの緩和医療センターの持つ症状緩和を中心とした在宅支援の重要性、さらに、今後の展開としての緩和ケアチーム・緩和医療外来・在宅支援センターの3つを統合したサポーティブケアセンターの構想が語られた。
 なお、次回は10年の節目として2010年2月20日に開催される予定であることが、当番世話人の西野卓千葉大学大学院医学研究院麻酔学教授からアナウンスされて閉会となった。

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