Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.42
日本緩和医療学会ニューズレター
Feb 2009  42
学会印象記
第28回京滋緩和ケア研究会
千葉県がんセンター整形外科  安部能成
 2008年12月6日土曜日の午後、京滋緩和ケア研究会とワイス株式会社の共催で第28回京滋緩和研究会が行われた。会場となった京都私学会館地下一階の大会議室ホールは満席に近く、参加者の熱気が演台にまで伝わるほどであった。
 プログラムの第一部は、大津赤十字病院中山晃呼吸器外科部長、洛和会音羽記念病院の川上明呼吸器内科部長を座長に一般演題の口述発表があった。1.「ALS患者の痛みにリン酸コデインが著効した事例」京都府立医科大学病院:藤本早和子ほか、2.「平穏な死に寄り添うための取り組み」神野医院:中谷智春ほか、3.「当事業所における緩和ケアの取り組み〜死ぬまでに自分の足で土を踏みたい!〜」神野医院訪問リハビリテーション:津山 努ほか、4.「京都市立病院における緩和医療への薬剤師の関わり」京都市立病院かんわ療法チーム:大野恵一ほか、5.「終末期患者に対する作業療法士の関わり〜1症例を通して〜」滋賀県成人病センター:乙川 亮、6.「終末期患者のクオリティ・オブ・ライフの維持〜目標設定した日常生活動作の拡大〜」市立福知山市民病院:酒井知亜紀ほか、7.「オキシコドン速放製剤を用いたオピオイド導入の経験〜敏速で安全な導入を目指して〜」独立行政法人国立病院機構京都医療センター薬剤科・緩和ケアチーム:畝 佳子ほか、8.「緩和ケア病棟におけるケアのあり方を考える〜患者の家族の期待と実際の調査を通して〜」洛和会音羽記念病院:森 庸子ほか、であった。一演題は発表7分、質疑3分の設定であったが、熱意に溢れて時間も押されるほどであった。一般演題の中でリハビリに関連するものが半分を占め、先進諸国と軌を一にした動向であることが注目された。
 第2部は、京都市立病院の大迫努呼吸器外科部長と京都市立病院の冨家久美子副総看護師長の司会により、パネルディスカション「緩和ケアにおけるコメディカルの関わり」が行われた。演者は、井沢知子:京都大学医学部付属病院(がん専門看護師)、中西弘和:京都桂病院(薬剤師)、安部能成:千葉県がんセンター(上席専門員:作業療法士)、天野可奈子:臨床心理士(滋賀県成人病センター)、橘 直子:山口赤十字病院(ソーシャルワーカー)であった。はじめに、緩和ケアチームのメンバーとして、という切り口で、それぞれの職種からの基調報告があった。5つの職種は各々が専門家に値する水準の内容を述べられ、それがチームを組むという、緩和ケアの特色が見事にプレゼンス、具現化されていた。また、これを踏まえた司会者の卓抜な舞台回しにより多面的な検討が行われ、会長も時間延長を認めるほどの盛り上がりであった。
 このような緩和ケア研究における地域的な努力が、本学会の全国学会に反映され、会員数の急速な伸張に結びついていることが感じられた。今後とも機会あるごとに地域的交流の重要性を報告していきたいと考えている。

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