Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.42
日本緩和医療学会ニューズレター
Feb 2009  42
Current Insight
がん医療水準の均てん化を目的とした医療水準等調査事業による、
がん診療連携拠点病院の緩和ケア及び相談支援センターに関する調査の
「緩和ケア」について
東京大学成人看護学/緩和ケア看護学  宮下光令
 本調査は厚生労働省委託事業として2008年2月に日本緩和医療学会が実施した調査である。委員長は江口理事長であり、筆者は緩和ケア小委員会の小委員長を担当した。本調査の対象は全てのがん診療連携拠点病院にみなし拠点病院である国立がんセンター中央病院及び東病院を加えた353施設である。本調査はがん診療連携拠点病院の「緩和ケア機能」および「相談支援センター機能」に焦点をあて、がん診療連携拠点病院の自己申告により、それぞれの機能の充足の程度を評価することを目的とした。
 緩和ケア機能に関しては、設問ごとに「病院長または事務責任者」「緩和ケアチームの責任者」「地域連携に関する部署の責任者」に回答を求めた。部門別に回答を求めたのは、たとえば病院長や事務長に緩和ケアに対して施設が取り組む姿勢を明確にしてほしかったからである。緩和ケアチームによる活動だけではなく、病院長や事務レベルでの支持がないと施設での緩和ケアの充実はなしえないと考えた。緩和ケア機能に関しては、記録の有無や診療実績など具体的な項目について尋ねた。これは、緩和ケアに関する取り組みの実施状況を正確に把握し、今後の課題を明確にするためである。これらの調査項目は拠点病院が備えるべき緩和ケア機能を網羅するように作成した。厚生労働省による指定要件とは必ずしも一致していないが、小委員会で必要と考える項目を網羅した。また、自己申告ではあるが、後日、都道府県などが体制や実施状況を確認できるように配慮し、「虚偽の記載ができない」ように項目設定したことが特徴である。
 本調査の目的として、各施設は、本調査の結果を参考とし、各施設で充足している側面、改善が必要な側面を把握し、施設内での改善を図ることが期待される。また、都道府県が、補助金の配分なども含めて、各都道府県内のがん診療連携拠点病院の機能の更なる向上を図っていく際に、参考にしてすることが期待される。なお、調査結果の解釈には各病院の診療規模や都道府県・地域において求められている機能を考慮する必要がある。
 本調査の報告書はすでに全拠点病院を対象に郵送されている。本調査の結果は日本緩和医療学会のホームページに掲載される予定である。各項目は施設の緩和ケアの充足度を測定するものであるから、拠点病院だけではなく、一般の病院や大学病院なども参考にしてほしい。本調査は今後も継続される予定であり、拠点病院の緩和ケア提供機能をモニタリングし、全国のがん医療の均てん化に資することが期待されている。

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