Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.41
日本緩和医療学会ニューズレター
Nov 2008  41
学会印象記
第32回日本死の臨床研究会年次大会に参加して
千葉県がんセンター整形外科 安部能成
 去る2008年10月4日と5日の両日、秋の景色濃い札幌市のコンベンションセンターで開催された、第32回日本死の臨床研究会年次大会に参加する機会を得たので報告したい。週末にも関わらず、多くの人々が訪れていた。
 大会のテーマは「この別れ かの再会 その文化」であり、基調講演「生死マンダラ」(千歳 栄:以下、敬称略)、特別講演「地域で生老病死を診る」(方波見康雄)が初日に設定されていた。いずれも、死、あるいは、臨死を見つめたアプローチの話である。
 大会テーマに沿って設定された教育公演は8つあり、「スピリチュアルケア」(田村惠子)「看取りの文化」(新村拓)「地域に広がるホスピスケア」(山崎章郎)「末期癌患者の家族との関わり」(沼野尚美)「死の臨床と医学的リハビリテーション」(安部能成)「風に立つライオンの目指すこと」(堂園晴彦)「日本宗教史と死の臨床」(末木文美士)「悲嘆者を理解する文化へ」(高木慶子)が2日間に分けられて開催された。
  この他にも、パネルディスカッション「地域連携・在宅ホスピス」(座長:梅田 恵、松島たつ子)、シンポジウム「介護施設でのホスピスケア」(司会:前野 宏)があった。さらに多様な学びのため、「緩和ケアと音楽療法」(中山ヒサ子)「スピリチュアルケア」(村田久行)「心身相関系代替医療におけるアプローチ」(川嶋 朗)「STAS−Jの使用経験とこれからの課題2008」(宮下光令、中島信久)という4つのミニワークショップもあった。
 また、国際交流委員会主催のシンポジウム「看取りの文化」、企画委員会主催の「会員フリートーキング」、ドキュメンタリー映画「精霊の山 ハヤマ」の上映、初日のお昼休みには「金管アンサンブル」(倉橋 健)、二日目には「大谷パーカッションアンサンブル」(笠井尚貴)の企画まであり、たいへんバラエティーに富んだ、意欲的な年次大会であることが、ひしひしと感じられた。
  本研究会の特色の一つである事例検討は13、ポスター発表のみの一般演題が174あった。緩和医療の立場から本学会をみると、当然のことではあるが、死、あるいは、臨死の問題に回帰しているように感じられた。関連学会が増えてきたので、その棲み分けを考えることが会員フリートーキングの狙いの一つにも挙げられていたようである。この点で、WHOの緩和ケアの定義は、1992年のものと2002年のものが異なってきている事が、その一つ証左にあげられる。
 なお、次回は2009年11月7日〜8日の日程で、佐藤健・安藤詳子大会長のもと、名古屋国際会議場で開催される予定であることがアナウンスされた。

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