Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.41
日本緩和医療学会ニューズレター
Nov 2008  41
モーニングセミナー1
がんの痛みはこう評価する
座長・報告 和歌山県立医科大学附属病院 集学的治療・緩和ケア部 月山 淑
 より多くの方により多くの情報をという大会長の配慮により今年の総会ではモーニングセミナーが開催された。モーニングセミナー1は、梅田恵先生による「がんの痛みはこう評価する」であった。セミナーは朝8時開始にも関わらず、800席の会場がほとんど満席で立ち見の方もおられるほどの盛況であった。梅田先生の現在までの経歴、現在の活動内容から始まった講演は、「がんの痛みはこう評価する」ための具体的な方法よりも、医療者が患者から痛みを聞きだして評価することの意味、聞き出すためのコツについてエビデンスを交えてのお話であった。
 痛みは患者の主観である。これを「評価=アセスメント」という客観へ変換する作業が必要であり、それは患者にとってはかなり苦手なことである。そこで、われわれ医療者が疼痛の意味を説明して、痛みをうまく表現すれば痛みを治すことができるという情報提供をし、疼痛を持つ人の表現力を高めることで、自分にとってメリットになるというサポートを提供することが重要である。疼痛評価のために患者教育を行って、患者が教育された方がアウトカムとして疼痛は軽減するというエビデンスが提示され、とても納得させられた。しかし、このことには患者との信頼関係を得るために常にアセスメントし、プランを実行してそれに対する評価evaluationをするという医療者側の自己評価=治療効果判定が必要であり、結果をだすこと=痛みがとれるということが最重要項目であることも再認識させられた。患者が伝えたいと思うときに患者から積極的に痛みを伝えようと思ってもらえる“プロフェッショナルに聴く”ことが出来る信頼される医療者に、私たちはならなければならないと気づかされた有意義な講演であり、朝から気が引き締まる思いで会場を後にしたのである。

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