Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.41
日本緩和医療学会ニューズレター
Nov 2008  41
ランチョンセミナー3
呼吸困難に対するオピオイドの使い方のこつ
座長・報告 国立病院機構 西群馬病院 斎藤 龍生
 都立駒込病院緩和ケア科の田中桂子先生によるランチョンセミナーは、「呼吸困難に対するオピオイドの使い方のこつ」という演題で行われました。呼吸困難については呼吸不全とは異なり、不快な感覚と定義され、呼吸困難の評価については、量(どのぐらい?)に対してNumeric rating scale・Visual analog scaleを、質(どんな?なぜ?)に対しては、Cancer dyspnea scaleを、生活の影響(生活への障害度?満足度?)に対しては、M.D.Anderson Symptom Inventory・Support Team Assesment Scheduleが、推奨されました。呼吸困難のマネジメントについては、モルヒネを最も有効な薬物療法と位置づけ、呼吸不全の改善でなく、主観的な呼吸困難を改善するものだと、定義されました。モルヒネの使い方については、オピオイド未使用時、オピオイド既使用時について解説され、屯用・レスキュー、増量の仕方が具体的に提示されました。使い方のコツと工夫に関しては、1)早めに,予防的に、レスキューを、2)効果の実感の高い皮下注レスキューを、3)モルヒネに対する誤解を解く,4)徐放剤+速効剤レスキューを紹介されました。現在のところモルヒネが第一選択とされましたが、フェンタニル・オキシコドンの有効性の可能性についても言及され、他のオピオイドからモルヒネのオピオイドローテーションの仕方が、具体的に紹介されました。最後に、Total Dyspneaを実現するためには、患者さんの訴えを信じること、モルヒネの使い方を習熟すること、自覚症状の改善をゴールとすることが重要であるとのアドバイスがありました。フロアからは、現場での具体的なオピオイドの使い方について質問があり、活発な討議がなされました。
(文責:国立病院機構西群馬病院 斎藤龍生)

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