Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.41
日本緩和医療学会ニューズレター
Nov 2008  41
ワークショップ4
緩和ケアのリハビリテーション:明日から役立つ知識とテクニック
座長・報告
慶應義塾大学 医学部リハビリテーション医学教室 辻 哲也
静岡県立静岡がんセンター リハビリテーション科 田沼 明
 本ワークショップでは、緩和ケアにおいてリハビリテーションがいかに関わることができるかという紹介にとどまらず、聴衆が各自の病院や施設に持ち帰ってすぐに実践できることを学び取ることを目指して7人の先生からご発表いただいた。
  辻哲也先生からはがん医療全般におけるリハビリテーションの役割や緩和医療におけるリハビリテーションの役割などについて総論的にお話しいただいた。これまでわが国ではがん医療においてリハビリテーションの関わりが希薄であったが、これからは積極的にかかわるべき分野であることを示していただいた。安部能成先生からは基本動作における介助のコツやねたきりを防ぐためのアイデアなどについて解説いただいた。スライドの中で多くの写真を提示していただき理解が深まった。吉原広和先生からはベッド上での移動方法を容易におこなう方法や症状緩和のためのポジショニングなどについて解説いただいた。壇上での実演があり実践的な講演であった。田尻寿子先生からはADLやIADL(Instrumental ADL)拡大のためのコツについて披露いただいた。ADLやIADLの低下は自立・自律感の喪失を招くため、これらに対するアプローチは身体面だけでなく精神面にも強く働きかけることができることをご教示いただいた。小川佳宏先生からはリンパ浮腫や終末期の浮腫の病態やアプローチの方法などについて概説いただいた。佐藤佳代子先生からはリンパ浮腫や終末期の浮腫への具体的な対応方法について、複合的理学療法を中心に解説いただいた。終末期の浮腫への対応は教科書にもあまり詳細な記載がなく現場で非常に困ることが多いため両先生のお話は非常に役に立つものであった。安藤牧子先生からは終末期の嚥下障害への対応について解説いただいた。代償的な方法によってより安全に経口摂取をおこなうことでQOLをより高く保つことができることを示していただいた。
  会場は立ち見がでるほど盛況であり、ワークショップ終了後にも参加者から多くの質問が寄せられ、緩和医療におけるリハビリテーションのニードの高さを実感した。

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