Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.40
日本緩和医療学会ニューズレター
Aug 2008  40
施設訪問記
札幌医療生活協同組合
札幌南青洲病院緩和ケア病棟
千葉県がんセンター整形外科 安部能成
 北海道の中心に位置する札幌市は人口約190万人、市内に複数のホスピス/緩和ケア病棟を有する点で日本の緩和ケア先進地の一つに数えられる。そのひとつである、札幌医療生活協同組合 札幌南青洲病院緩和ケア病棟を訪問する機会に恵まれたので報告したい。
 設置形態としては、私立の16床であり、21世紀初頭の日本の平均像が20床レベルにあることからみると、やや小規模に属する。病棟は建物の2階部分にあり、直接地面に降りることはできない。このあたりは雪国であることの反映かもしれない。
 病院は、札幌市のベッドタウン清田区里塚にあり、美しが丘、平岡および北広島市大曲に隣接している。近くには平岡梅林公園があり、梅の季節には大勢の人で賑わい自然環境にも恵まれている。JR上野幌駅からは徒歩15分の距離があるが、地下鉄東西線の大谷地駅、東豊線の福住駅の両方からバスの便がある。新千歳 空港まで車で30分、札幌市内中心部まで車で30分と交通の要衝に位置している。
平成20年1月1日発行の広報紙ふれあいvol.25によると、職員構成は、医師(兼任)3名、看護職員(専任)13名、看護助手(専任)3名、病棟クラーク(専任)1名、ソーシャルワーカー(兼任)2名、薬剤師(兼任)4名、管理栄養士(兼任)2名、リハビリスタッフ(兼任)5名となっている。病床数に対する専任の看護職員数(看護職員+看護助手)は平均的であるが、職種構成に恵まれている。中でも、これから需要が高まると予想されているリハビリスタッフは、兼任ながら5名配置されている。たしかに、今年の緩和医療学会でもリハビリ関連の演題は増えている。しかし、一症例の経験報告が多く、量・質ともに問われている。その意味で、札幌南青洲病院のリハビリの動向が注目される。
 施設の特色としては、一般内科とホスピスケアを中心とした、24時間対応の地域密着型の医療を展開している。平成16年1月1日からホスピス(緩和ケア)病棟が開設され、より一層の診療体制の充実を図っている。また、居宅介護支援、訪問看護、訪問介護、通所リハビリなどの各種介護保険サービス事業にも力を入れている。したがって、入院、外来通院、居宅、訪問という地域とのネットワークを構築するのに都合の良い資源を有していることになり、そのような条件を踏まえた緩和ケアの展開が期待される。
 この場を借りまして、病棟見学の許可をくださった前野先生、当日御案内頂いた高橋仁先生に感謝申し上げます。

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