Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.40
日本緩和医療学会ニューズレター
Aug 2008  40
学会印象記
日本ホスピス・在宅ケア研究会第16回千葉大会
千葉県がんセンター整形外科・安部能成
 2008年7月12日〜13日にかけて、千葉市の幕張メッセにて、日本ホスピス・在宅ケア研究会第16回千葉大会が開催された。大会長の藤田敦子氏は特定非営利活動法人ピュアの会長として、がん患者の家族会の市民活動に長年携わってこられた方である。このことからも分かるように、本研究会は市民活動、行政にまで活動範囲の広い研究会である。実行委員長の渡辺聡氏は千葉県がんセンター緩和医療科の部長として、緩和医療の第一線に経たれている。なお、この学会では「先生」という呼称が罰金付きで禁止されおり、それほど市民感覚が大切にされている。
 参加者は2,000人ほどで、日本緩和医療学会が同じ会場で千葉大会を開催した2003年の第8回大会と同様であったことが思い起こされた。しかし、当時の緩和医療学会は学生さんの参加が多く、抄録集の不足に大慌てとなったり、大幅な黒字となった場合の処理に困ることが話題になった。しかし、本研究会は市民団体が主体であり、ポスターセッションよりも口演とグループ討論が主体となっており、会の雰囲気はおおいに異なる。
 二日間のポスター発表が35題づつで合計70題、1演題につき発表12分、質疑応答4分間の口演が25題であった。ポスター発表のカテゴリーは、在宅ホスピスケア、施設ホスピスケア、家族ケア、遺族ケア、患者会、スピリチュアルケア、バイオエシックス、症状コントロール、コミュニケーション、チームアプローチ、代替療法、地域ケア、看取りのケア、デスエデュケーション、その他、となっていた。また、口演のカテゴリーを列挙すると、第1群;ホスピス・スピリチュアルケア、第2群;ホスピスケア、第3群;行政関連、第4群;在宅ホスピスケア、第5群;その他、第6群;在宅医療、第7群;さまざまな場におけるケア、第8群;終末期ケア、である。
 これに対して特別講演が5題、シンポジウムが8題、グループワークが9題あり、いずれも2時間枠であった。この他にも、緩和ケア教育講演が2つ、昼の教育セミナーが2つあり、非常に豊富な内容となっていた。確かに、本研究会は参加者による語り合いが主体で、学術的研究の発表会ではない。しかし、ホスピス・ケアのユーザーは一人ひとりの市民であり、医療専門職といえども、その範疇にあることを再認識させてくれた。その意味で本研究会は貴重な存在といえる。
 なお、来年の第17回日本ホスピス・在宅ケア研究会全国大会 in高知は、2009年7月11日〜12日に、高知県民文化ホール、高知市文化ホールかるぽーとを会場に開催される予定である。

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