Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.40
日本緩和医療学会ニューズレター
Aug 2008  40
学会印象記
第8回高知緩和ケア研究発表会
千葉県がんセンター整形外科・阿倍能成
 2008年5月17日、土曜日の午後にもかかわらず好天にも恵まれてか多くの人を集め、第8回高知緩和ケア研究発表会が高知市の高知県民文化ホールで開催された。今回は、高知緩和ケア研究会が「特定非営利活動法人 高知緩和ケア協会」として2008年3月7日付けで認可された、設立記念大会としての開催であった。このように先進的な地区では、緩和ケアに関するアカデミックな活動をしている市民組織が法人格を取得し、公的に認められたNPOとして様々な緩和ケア関連の受託事業を展開するようになってきている。
 セッション1は、座長に久直史 図南病院院長、豊田邦江 細木病院緩和ケア病棟師長のもとで、1.うつを抱える患者と家族をつなぐ看護師の役割を考える、2.緩和ケアでの口腔トラブルを考えるアセスメントシートの作成、3.ホスピス病棟における外出・外泊に向けての看護師の働きかけ、4.70歳代骨肉腫、転移性肺腫瘍症例の緩和ケア的リハビリテーション、5.病院緩和ケアおよび緩和ケア病棟に関する意識調査、の5演題が発表された。
 セッション2は、座長に池田久乃 高知医療センター、弘末美佐 高知女子大学看護学部看護学研究科のもとで、6.高知大学医学部付属病院緩和ケアチームの活動報告、7.末期がん患者を持つ家族が在宅ケアを困難と感じた要因、8.がん患者を支えるソーシャルワーカーの役割、9.末期がん療養者の在宅ターミナル期を支援する訪問看護師の役割、の4演題が発表された。
 上述の一般演題に先立って、めぐみクリニックの小沢竹俊先生による、いのちの授業が、ホールの壇上を教室に見立てて行われた。いわゆる、公開模擬授業の形式には違いないが、生徒は現役の中学生たちであり、扱われる対象が学習指導要領にはない点で、極めてユニークな試みである。臨床経験を主たる対象とする研究会において、このような企画を立てられた高知緩和ケア協会に敬意を表する次第である。
 なお、来年の第17回日本ホスピス・在宅ケア研究会全国大会は、高知緩和ケア協会が主体となって活動されるそうである。なお、「緩和ケアねっとkochi」ではホームページhttp;//www.kannwacare-kochi.net/へのアクセスを求めている。日本全国はおろか世界中にも視野を広めている山口龍彦理事長、伊東事務局長をはじめとするメンバーの奮闘ぶりが注目される。

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